車利用者は事前に知っておきたい! マンション駐車場に関する知識
マンションにおける駐車場とは、住民が車を駐めるスペースであるとともに、収入を得る手段でもあります。例えば空きスペースを外部の人に貸し出して収入を得ることで、住民から納めてもらう管理費や修繕積立費の設定金額を抑えることができれば、車を所有していない人にもメリットは生まれます。
今回はそんな駐車場の種類ごとのメリット・デメリットを中心に、大都市圏で目立つようになってきた駐車場の空き問題や、起こりやすいトラブルとその対処法などについて紹介していきます。
空きが目立つようになってきたマンションの駐車場
近ごろ、大都市圏のマンションを中心に駐車場の空きが目立つようになってきたといわれています。なかには常に3割以上の空きがあるという、深刻な問題を抱えているマンションもあるようです。
空きが増えてきた理由として考えられているのが、車を手放したり、車を所有せずにカーシェアリングなどを活用したりする人が増えてきたことです。
事実、自動車検査登録情報協会が2015年と2019年に行った調査を比較すると、1世帯当たりの自動車の普及台数は全国平均で1.069(2015年)から1.052(2019年)に減少。以前から車離れが進んでいるといわれる東京でも、0.456(2015年)から0.432(2019年)へとさらに減少しており、世帯の半分以上は車を所有していないといえます。
また郊外などでは、契約利用者の減少により周辺の駐車場の使用料が下がってきているにも関わらず、高い価格設定のまま改定されていないなど、新築時に定めた利用条件やルールが現在の実情と合っていないため、マンションの駐車場が利用されなくなっているといった傾向もあるようです。
駐車場に空きが出ることはなぜ良くないのか?
駐車場に空きが出て稼働率が低下するということは、すなわち管理組合の収入減少を意味します。あまりにも空きが目立つようになると、管理会社に支払う委託費や、修繕費などの日常的に生じる出費が、区分所有者から徴収している現状の管理費や修繕積立金だけでは賄まかなえなくなり、増額をせざるをえない状況になってしまいます。
そこで近年では住民だけでなく外部に向けて、空いている駐車場を貸し出すケースが増えてきています。外部への貸し出しを検討するにあたっては、セキュリティ面での配慮などが大事なこととなります。貸し出すことを決めたら、規約や使用規則を改正し、総会で住民の承認を得るなどの段取りを踏むことが必要となります。
よくある駐車場トラブルとその対処法もチェック!
マンションの駐車場では当て逃げや、無断駐車などのトラブルが起こる可能性も考えられます。こういったトラブルに遭った場合、どう対処すればよいのでしょうか。
以降で主な対処法について、紹介していきます。
当て逃げされたときの対処法は?
もし車を当て逃げされたら、まず警察を呼んで「事故証明書」を発行してもらいましょう。その後に「被害届」を提出してください。理事会や管理会社への連絡も忘れずに行います。
重要なことは、当て逃げ犯を特定できる証拠の確保です。管理会社や警備会社に依頼して監視カメラの映像をチェックしたり、目撃者を探して証言を得たりするようにしましょう。被害に遭った車に駐車監視機能付きのドライブレコーダーが取り付けられていれば、ぶつけられた時の映像が記録されているかもしれません。これは有効な証拠として活用できます。
住民以外に無断駐車されたときは?
無断駐車の中でも、マンションの住民が自分の契約している以外の場所に駐めてしまう区画間違いの場合は、車の所有者への連絡や警告掲示により移動を促すことでほとんど解決します。
問題はマンションの住民以外の車が無断で駐車をしている場合です。法律上、レッカー車などを使って勝手に車を動かすことはできません。警察も、該当車両が盗難車でない限り介入をしてくれないことがほとんどです。
そこでまず、無断駐車を事前に防ぐためには、コーンを設置するなどで利用者以外は物理的に駐車できないようにするか、「無断駐車禁止」などの張り紙を掲示するなどの方法が必要になってくるでしょう。
無断駐車が発生してしまった場合は、該当車両に警告文を提示するなどの方法が考えられますが、まずは管理会社に相談をしましょう。
車を所有しているなら駐車場の基礎知識も頭に入れておこう!
車を所有しているなら、マンションの立地や価格だけでなく、駐車場に関する知識も得ておきたいところ。
とくに駐車場の種類ごとのメリット・デメリットや、万が一トラブルが発生してしまった場合の対処法などは事前に確認しておきたいですね。