暮らしの悩み

マンションのカビは予防できる? 原因から対策までをおさらい

2024.08.02
マンションのカビは予防できる? 原因から対策までをおさらい

鉄筋コンクリート造で気密性が高く、窓を開けにくい立地にある……。そのマンション、実は「カビが生えやすい条件」がそろっているかもしれません。

今回はマンションにおけるカビの原因を徹底分析。そのうえで、カビを防ぐには何をすべきか?湿気対策からお掃除まで、いろいろな対策を紹介していきます。

カビ予防のために、まずは原因をチェック

日当たりが悪いとカビが発生しやすい!?

湿度が高く、空気がこもりやすい場所に発生しやすい

マンションでカビが発生した際には、再発を防止するためにも、まずは原因を調べましょう。

カビは一般的に湿度が高く、空気がこもりやすい場所で発生すると言われています。文科省「カビ対策マニュアル」によると、カビのような微生物の生育に適した湿度は65%以上で、温度は25〜28度とされています。

一般的に北向きの建物や、周囲に建物が密集しているような立地条件にあると、日当たりが悪く、湿度も上がりやすいので注意が必要です。

結露は鉄筋コンクリート構造が原因?

「日当たりが悪いと湿度が上がりやすい」と説明しましたが、マンションにはもう一つ湿気の原因があります。それが結露です。断熱性が低い建物では、外気温が下がると窓や壁が冷え、そこに暖かい屋内の空気が触れると結露が生じ、カビが生える原因となります。

一般に鉄筋コンクリート造の建物は熱伝導率が高く、外気温の影響を受けやすいため、壁面と屋内の間に温度差が生まれやすいと言われています。マンションでカビが発生した場合には、その原因として結露を疑う必要があるでしょう。

機密性の高さがカビの原因になることも……

機密性が高いマンションは空気がこもりがちです。住戸の湿度が上がった時に、湿気の逃げ場がなくなるので、カビが発生しやすくなります。そして、カビが生えた後も胞子が屋内に止まり続けてしまうため、さらなるカビの発育を招いてしまうでしょう。

通気の良さは住戸によっても変わります。特に、窓が少ないなど空気が通りにくい間取りで、家具が多く通気を邪魔しているような住戸では注意が必要です。

有効なカビ対策の方法4選

【対策1】湿気対策といえば換気!何分ぐらい窓を開ける?

空気の入れ換えは1時間に2回のペースで、それぞれ5〜10分が目安

カビの原因となる湿気を住戸から除去するために、一番簡単な方法が換気です。一般的に住戸の空気を入れ換えるには、1時間に2回のペースで、それぞれ5〜10分程度窓を開けると良いとされています。

この時、対角線上に窓があれば、それぞれを開けると風が通りやすくなり、スムーズに湿気を住戸の外に追い出せます。また、換気扇や扇風機を回すなどして、住戸の中に空気の流れをつくるのも有効な方法です。

【対策2】窓を開けられない時はエアコンの出番

雨が降っている日や、春先で花粉が飛んでいる時期など、窓を開けづらいタイミングもあります。そんな時には、除湿機やエアコンの除湿機能などを使って、住戸の湿度を65%以下に押さえると良いでしょう。

ただし、エアコンの内部は湿気がこもりやすく、カビの温床になるケースもあります。エアコンの内部にカビが発生したまま使用を続けてしまうと、カビの胞子を住戸中にまき散らし、それを吸った人体に影響が出る恐れもあるので、エアコンの内部は定期的にチェックをしましょう。

チェックの結果カビが見つかった場合にはクリーニングをしましょう。

【対策3】整理整頓がカビ対策になる?

住戸にものを置きすぎていると、せっかく換気をしても風が通りにくくなり、空気の流れを遮る原因になります。住戸の整理整頓もカビ対策の一つといえるでしょう。

また、住戸を片付ける際に、収納スペースにものを詰め過ぎないのもポイントです。例えば、押し入れに布団を詰め過ぎると、内部の通気性が悪くなり、布団に湿気がこもりやすくなってしまいます。

【対策4】住戸の掃除でカビの栄養源を絶つ

掃除でカビの栄養源を絶つ

カビが発生するには、湿度や温度といった条件に加えて、発育のための栄養源が必要です。東京都保健医療局によると、カビはパンや菓子といったデンプンや糖分を含んだ食品を好みますが、他にも人のアカや髪の毛、ホコリなども栄養にできるようです。

住戸を掃除して、衣類や寝具、カーテンなどを洗うと、カビの栄養源を絶てます。カビを発生させないためにも、なるべく住戸はキレイにしておきたいですね。

サーキュレーターや換気システムで効果的に換気したい

サーキュレーターで換気効率をUP!

効率的に空気の入れ換えができる

窓を開けても風がないから、住戸内の空気が入れ替わっている実感がない……。そんな時には、サーキュレーターを窓に向けて使いましょう。住戸のなかの空気を窓の外に押し出し、効率的に住戸の空気を入れ換えられます。

なお、湿気のこもった空気は重く、室内の低い位置にたまるので、梅雨時などで窓を開けられなくても、サーキュレーターで室内に空気の循環をつくり、重い空気がたまってしまうのを防げば、カビ対策に有効かもしれません。この時、サーキュレーターは住戸の隅に置き、対角線上にある天井の隅に向けて風を送ると、効率的に空気を循環させられます。

24時間換気システムで湿気を追い出す

2003年の建築基準法改正によって、それ以降に建てられたマンションには24時間換気システムの設置が義務づけられました。これは、空気中に漂う化学物質が体調不良を招くシックハウス症候群対策の一環として導入された制度ですが、住戸の換気はカビ対策にも有効です。

建築基準法では居室に設置する24時間換気システムに、1時間あたりに住戸の半分の容積の空気を吸気、もしくは排気する性能を求めています。

基本的に24時間つけっぱなしで運用します。万一、換気が悪いと感じたときは、そもそも電源がオンになっているか、フィルターやファン、吸排気口にホコリがたまっていないか確認をしましょう。

カビが育たない環境を整備しよう!

カビは湿度や栄養状態といった条件がそろうと発生します。なるべくカビが生えにくい環境を整えるには、まずは換気などで住戸の湿度を下げること。さらに、住戸を掃除して、カビの栄養源を絶つのが大切です。

マンションによっては立地や構造、窓の数やサイズなどが原因で、湿度が上がりやすい条件が重なっているケースがあります。そんな時でも、サーキュレーターや24時間換気システムなどを賢く使えば、カビの発生を抑えられるでしょう。

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