理事・管理

マンション共用部の照明はLED化すべき? メリット・デメリットを解説

2022.09.27
マンション共用部の照明はLED化すべき? メリット・デメリットを解説

「マンション共用部の電気代が高い」「交換の手間もかかって大変……」。こうした悩みの原因は、白熱電球や蛍光灯といった古いタイプの照明を使っているからかもしれません。

解決方法の一つにLED照明の導入があります。そこで今回は、LED照明のメリット・デメリットについて解説していきます。

マンション共用部にLED照明を導入するメリット

LED導入には様々なメリットがある

照明の長寿命化

LED照明は従来の照明と比べて、寿命が長いというメリットがあります。

一般的に白熱電球の寿命は約1000〜2000時間、蛍光灯は約1万2000時間と言われています。これらに対して、LED照明は約4万時間も使用できる場合があるのです。

白熱電球や蛍光灯は電流が流れる際に、発熱するなどの理由から特定の部材が徐々に消耗していきます。しかしLED照明は、熱をほとんど伴わず劣化しないため、比較的長持ちするわけです。

LED照明はスイッチのオン・オフを頻繁に切り替えても構造上の負荷が少なく、寿命が縮みにくいという性質も持っています。

電気代を節約できる

LED照明へ切り替えれば、毎月発生する電気代を節約できます。

なぜなら従来の照明と比べて、同程度の明るさで照らすのに必要な消費電力が少ないからです。白熱電球と比較すると、一般的に電気代は9割削減できると言われています。

前述したとおり、LED照明は光る際にほとんど熱を発しません。つまり流れる電流のほぼすべてを、光に変換していることになります。

そのため、熱を伴う白熱電球よりも電力効率に優れているわけです。

交換作業の手間が減る

LED照明は従来の照明よりも長持ちするため、交換作業を行う頻度が低くなります。

前述した寿命の目安を考えると、LED照明を交換する頻度は白熱電球と比べて20〜40分の1程度、蛍光灯に対しては3分の1程度です。

そのため、交換に要する人件費や足場代なども節約できます。

マンション共用部の照明をLEDにするデメリット

導入費用が高い点はデメリット

多くのメリットがあるLED照明の導入ですが、白熱電球や蛍光灯と比べて導入費用が高くつくというデメリットがあります。

なぜなら、照明器具そのものが高価なことに加えて、初期工事費が必要となる場合も多いからです。

ただし自治体によっては、LED照明導入を支援する補助金・助成金を提供している場合もあるので、活用できるかどうか調べてみましょう。東京都では、補助・助成金制度を設けている自治体が多いようです。

LED導入前のチェックポイント

寿命が尽きるタイミング

比較的長持ちするとされるLED照明ですが、それでも約4万時間という寿命の目安があります。

導入前には1日あたりの点灯時間を確認して、いつ交換しなければならないか把握しておきましょう。仮に1日12時間点灯すると仮定すれば、約9年間の使用が可能です。

しかし設置箇所によってはそれ以上の点灯時間となる場合や、反対に人感センターなどでこまめにオン・オフが切り替わり、点灯時間が比較的少ないケースもあるでしょう。

そのため設置箇所ごとに、交換時期を把握しておくことが大切です。

近隣住民に配慮された明るさになっているか

マンションの屋外に面している通路などのLED照明は、明るすぎると近隣住民が夜間に眠れなくなってしまうなどのケースが考えられるでしょう。

こうした問題は光害と呼ばれ、近隣トラブルへと発展する恐れがあります。

光害を防ぐには明るさを抑える必要がありますが、マンションの住民によっては「共用部はできるだけ明るい方がいい」とする住民もいるでしょうから、対応が難しいところです。

そんな場合には、周囲への光漏れを低減できる光害配慮型のLED照明がおすすめです。特定のメーカーが発売しているので、購入を検討してみると良いでしょう。

LED照明を導入するときに注意点はある?

LED照明を導入する際の注意点として、対象設備が「非常用照明」かどうかが挙げられます。

非常用照明は建築基準法によって設置基準が定められおり、バッテリーを内蔵するLED照明でなければ設置できません。なぜなら、災害時に電力の供給が絶たれても点灯できる必要があるからです。

また、非常用照明は比較的高所に設置されているケースが多いので、工事費が高くなりやすい傾向にも気をつけましょう。

ランニングコストを考えて早めに導入しよう

LED照明は白熱電球や蛍光灯よりも寿命が長く、電気代などのランニングコストを安くできる点が大きなメリットです。

初期費用は比較的高いですが、数年間使用すれば元が取れる可能性は高いので、できるだけ早期の導入をおすすめします。

導入の際には交換時期の目安や、光害対策の有無などをあらかじめ確認しておきましょう。

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