管理組合の基本的な会計業務が学べる!「マンション管理組合会計の手引き」とは?
専門知識の取得が必要となるため、ついつい管理会社や会計担当者に任せっきりにしてしまいがちなマンション管理組合の会計業務。しかし、実務を行わない管理組合員であっても、基礎知識を身につけておくと役立つ場面もあるものです。これからマンションの会計業務を身につけたいという方は「マンション管理組合会計の手引き」で勉強を始めましょう!
会計知識は管理組合の適切な運営に役立つ
マンション管理組合における会計業務は、組合の運営管理を行ううえで重要です。具体的な業務内容は、各区分所有者から毎月徴収する管理費・修繕積立金の管理や年次収支報告書の作成、領収書の整理等があります。
実務には会計の専門知識が必要となるため、管理組合が自分達で処理することは難しく、管理会社に委託することが一般的です。管理組合内で会計担当者を立てて業務を行うケースも存在しますが、少数派となっています。
国土交通省の「マンションの管理の適正化に関する指針」では、管理組合の管理費や修繕費等について、費目を明確に区分して管理することが必要だと定めています。一方で、会計処理の基準や方式については特にルールの定めがありません。そのため、会計業務に不慣れな会計担当者が独自の方法で実務を行うことで、会計書類に不備が生じたり、貸借対照表の記帳が不明確になったりと、様々な問題が生じるリスクがあります。
また、管理会社や会計担当者に一任することでトラブルにつながることも。残念ながら、管理会社の従業員や管理組合会計担当者がマンション管理費を横領したといった事件が、時々ニュースで報道されています。当然、横領した本人に非がありますが、管理会社や担当者に任せっきりにし、ほかの管理組合員が一切チェックをしないのであれば、そのような体制も原因のひとつなのではないでしょうか。
このような問題を未然に防ぎ、管理費や修繕費を適切に運用していくためには、管理組合員が会計処理の正しい知識を身につけることが重要です。自分達の資産であるマンションを守るためにしっかりと対応していきたいものです。
「マンション管理組合会計の手引き」で会計処理がわかる
マンション会計は簿記などの知識がないと理解が難しいうえ、企業会計とは異なるマンション独自の原則が適用されるため複雑です。それでは管理組合の会計は具体的にどのようにして学べば良いのでしょうか?
そこで読んでおきたい1冊として紹介したいのが、公益財団法人マンション管理センターが出版する『マンション管理組合会計の手引き』です。この書籍では、マンション会計の仕組みと処理方法について具体的に解説がされています。基本的な会計処理はもちろんのこと、駐車場の外部への貸し出しなどマンションで収益事業を行っている場合も含め、幅広いケースに対応しています。
すでにこの書籍をお持ちの管理組合も多くいらっしゃるかもしれません。しかし、平成28年3月のマンション標準管理規約改正により、平成29年10月にはこの書籍も内容が改訂されています。お手元の本がそれ以前に発行されたものであれば、改正後の内容に合わせた改訂版で変更箇所を確認しておきましょう。
定価は2405円ですが、マンション管理センターの登録管理組合、もしくはセンター通信購読会員は割引が適用され、2160円で購入することが可能です。
正しい会計知識を身につけよう
マンション管理組合の会計担当になったときにトラブルなく、スムーズに処理を行うためにもしっかり正しい知識を身につけておきたいもの。『マンション管理組合会計の手引き』は、会計についての知識を持たないない人が基礎から学ぶのに適した書籍です。「マンション会計について学びたいけど何から始めたら良いか分からない」という人はこの本で勉強を始めてみましょう。
勉強して得た知識を管理組合で共有すれば、不適切な管理や不正を未然に防ぐことに繋がります。マンションは住民共有の資産ですので、自分達で価値を保つための知識をしっかりと身につけておきましょう。