理事・管理

「管理組合」と「管理会社」の違いは? マンション内での関係性や役割を解説!

2021.05.14
「管理組合」と「管理会社」の違いは? マンション内での関係性や役割を解説!

マンションの所有者で構成される「管理組合」。そして、管理業務の専門業者である「管理会社」。両者が良好な関係を築くためにも、お互いの役割を把握する必要があるでしょう。この記事では、管理組合と管理会社、それぞれの違いや役割について解説していきます。

管理組合はマンション管理の当事者、管理会社は委託先

それぞれの違いは?

管理組合と管理会社は名前こそ似ていますが、役割は大きく異なります。まずは、それぞれの役割を見ていきましょう。

「管理組合」が主体となってマンション管理を行う

加入の意思に関係なく、区分所有者(マンションの購入者)なら管理組合の組合員となり、脱退することはできません。

つまり「私、そんなのに入った覚えない」と思っても、マンションを購入すれば管理組合の一員となるわけです。

管理組合の目的は、マンションの快適な住環境や資産価値を維持すること。つまりマンション管理の当事者はあくまでも管理組合なのです。ただ、掃除や設備のメンテナンスといった業務を、自分たちでやるのはなかなか大変。そのため、管理業務の一部を管理会社に委託しているわけです。

「管理会社」は管理業務を委託されている

マンションの管理業務全般を、管理組合から委託されているのが管理会社です。

そもそもマンション管理の方式は、
1.管理業務をすべてお任せする「全部委託方式」
2.設備保守のみ、清掃のみといった業務の一部を委託する「一部委託方式」
3.管理会社には委託せず、管理組合が直接管理員を雇うなどして、自ら管理業務を行う「自主管理方式」
の3つがあります。

「全部委託方式」は管理組合の負担が少なくなる一方、組合員の当事者意識が薄くなる可能性があります。委託できるのは、事務作業や管理員業務、清掃、建物・設備の管理など全般的な業務です。

「一部委託方式」では、全部委託方式に比べて費用が抑えられますが、事務作業や管理員業務は管理組合が担うなど負担も増えます。

「自主管理方式」は管理会社に委託する費用がかかりませんが、全ての管理業務を管理組合が担う方式です。そのため、負担する業務の多さやノウハウ不足といった課題があります。

管理組合と管理会社の関係性が良好であれば、管理は上手くいく!

基本的に管理組合から、管理会社へと業務委託費が支払われます。そして、管理会社はサービスや業務を対価として提供する。つまり、顧客(管理組合)と業者(管理会社)の関係ともいえるわけです。

管理組合としては「こっちはお客さんなんだから、全部お任せして良いよね」と思うかもしれません。しかし、マンションの価値は管理で決まるといわれるほど重要であり、管理会社に任せっきりではいけません。管理会社がどのような業務を行っているかを把握しながら、管理組合こそがマンションの管理を主体的に行っていく必要があるのです。

そのためにも管理のパートナーとして、管理会社との関係性は良好に保っておきたいところ。管理組合のほうから、より良い管理に向けた提案を行うと、管理会社としても動きやすくなるでしょう。

管理会社は会計や清掃、設備管理などを行う

では、管理会社の業務にはどんなものがあるでしょうか。一般的に行っている仕事には次のようなものがあります。

【仕事1】事務管理業務

事務管理業務を大別すると、基幹事務とそれ以外になります。

基幹事務は主に会計報告に関する業務。

具体的には
・収入・支出の報告
・年間の予算・決算案の作成
・マンションを修繕するときの企画立案や実施にあたっての調整
・月次決算報告書の作成
などです。

さらに修繕積立金や管理費などの回収、未収があった場合の督促業務の一部を担うことも。

なお基幹事務以外の業務としては、理事会や総会の開催、運営の支援などが挙げられます。

【仕事2】清掃業務

清掃業務は、主に「日常清掃」と「定期清掃」に分けることができます。

日常清掃は駐車場や駐輪場などの共用部の清掃、ゴミ出しや回収作業のこと。定期清掃はカーペットやタイルなどの床、窓ガラス、外壁といった大がかりな機械洗浄作業を指します。

マンションの規模によっては、年に数回「特別清掃」を行うケースも。具体的には、高所のガラス窓や照明器具、排水溝の網状の蓋などを清掃します。

【仕事3】管理員業務

マンション管理員

管理会社と雇用契約を交わした管理員をマンションに常駐させ、居住者や来客の受付などに対応します。ホテルでいうフロントマンのような存在です。

受付業務だけではなく、各種設備の簡易点検や専門業者の作業、ごみ収集の立ち会い、管理組合への報告・連絡といった日常的に発生する業務を担当しています。

管理会社の担当者よりも居住者に近い存在なので、困りごとや疑問を解消してくれるケースも少なくありません。良好な関係を築いておけると、居住者としても安心できるでしょう。

【仕事4】建物・設備管理業務

建物や設備の維持に欠かせない業務です。具体的にはマンションの外観やエレベーター、電気設備や給排水設備など、各設備が安全かつ確実に稼働するように管理を行います。

基本的には管理会社から、設備ごとに資格をもった専門業者に委託し、メンテナンスや保守・点検を実施。将来的な資産価値に大きく影響を及ぼす業務と言えるでしょう。

【仕事5】コンサルタント業務

管理会社が理事会などに参加し、管理や運営状況のアドバイスを行います。区分所有者だけでは決定するのが難しい建物診断や長期修繕計画、大規模修繕工事の立案時に依頼すると良いでしょう。

管理会社に委託する?しない? マンションの管理方法はこの3つ!

【方法1】すべてマルっとお任せする「全部委託方式」

管理業務のすべてを管理会社に委託するのが「全部委託方式」です。最近のマンションは附帯設備が多く、管理が高度化・複雑化しているため、この方式が主流となっています。

基本的にすべての管理業務をお任せできるため、その分、管理組合の負担は軽減できるでしょう。

ただ、ネックとなるのが業務委託費。管理会社にすべてお任せするため、当然ですがコストは高くなります。

あまりにも業務委託費が高すぎるという場合は、管理会社との契約内容の見直しや、後述する一部委託方式の導入も検討しましょう。

【方法2】委託費を抑えられる「一部委託方式」

管理組合ができることは自ら行い、一部の業務だけ専門業者や管理会社に委託するのが「一部委託方式」です。一部の管理は組合で担うため、負担は増えることとなりますが、全部を委託する方式よりもコストは抑えられるでしょう。

また、管理組合も業務を行うことで管理意識が高まるといったメリットも。ただし、トラブル発生時に管理会社のサポートを受けられないといったデメリットもあります。

【方法3】管理会社に委託しない「自主管理方式」

管理会社に頼らず、管理組合や直接契約した専門業者だけで管理を行うのが「自主管理方式」です。

コストを最も抑えられる方法で、住民の管理意識もより高まるでしょう。定年退職して比較的時間にゆとりのある世帯が多いマンションで、採用されるケースがあるといいます。

とはいえ、業務を担当しても良いという住民が少ないと、理事会に負担が集中。主体的な住民が少ないと管理が滞り、マンションの資産価値がさらに低下するリスクもあります。

業務を担当する住民や理事会の役員に報酬を支払うなど、管理を継続する仕組み作りが必要です。

管理組合と管理会社の関係性が良いと、管理は上手くいく!

基本的に管理組合から、管理会社へと業務委託費が支払われます。そして、管理会社はサービスや業務を対価として提供する。つまり、顧客(管理組合)と業者(管理会社)の関係ともいえるわけです。

管理組合としては「こっちはお客さんなんだから、全部お任せして良いよね」と思うかもしれません。しかし、マンションの価値は管理で決まるといわれるほど重要であり、管理会社に任せっきりではいけません。管理会社がどのような業務を行っているかを把握しながら、管理組合こそがマンションの管理を主体的に行っていく必要があるのです。

そのためにも管理のパートナーとして、管理会社との関係性は良好に保っておきたいところ。管理組合のほうから、より良い管理に向けた提案を行うと、管理会社としても動きやすくなるでしょう。

管理組合は実状に合わせて管理会社を利用しよう

管理組合と管理会社は、言わば顧客と業者の関係。しかし、管理会社にマンションの管理を任せっきりではいけません。管理会社と良好な関係を築きながら、あくまでも当事者は管理組合という意識でマンションの管理に取り組む必要があるでしょう。

そんなマンションの管理方法は、全部委託方式〜自主管理方式までさまざま。仕事で時間の融通が利きにくい世帯が多く住んでいるなら全部委託方式。一方で、定年退職した世代が多く、比較的時間にゆとりのある方が多い場合は自主管理方式に移行するなど、マンションの事情に合わせた管理を行っていきましょう。

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