理事・管理

マンション管理組合におけるインボイス制度の影響を解説

2024.04.01
マンション管理組合におけるインボイス制度の影響を解説

2023年10月から導入されたインボイス制度は、さまざまな事業者に影響を与えています。
マンションの管理組合では管理費などを集めるため、インボイス発行を依頼されるケースがあるようです。はたしてマンション管理組合は、インボイスに対応しなければならないのでしょうか。
今回はインボイス制度の概要とマンション管理組合に与える影響、対応方法を解説します。

インボイス制度とは

インボイス制度は消費税の新制度

2023年10月1日に導入されたインボイス制度は、消費税に関係する新しい制度です。
前提として、消費税の課税事業者は「お客様から預かった消費税」から「仕入れ時に支払った消費税」を引いて、差額を納付しています。

インボイス制度導入前、仕入れにかかった税金は、一般的な領収書や請求書で証明できていました。しかしインボイス制度導入後は、「インボイス(適格請求書)」という特殊な請求書に記載されている消費税しか差し引くことができません。インボイスではない領収書や請求書をもらうと、仕入税額控除ができないため、納税額が増えてしまうということです。

このインボイス(適格請求書)を発行するには、「適格請求書発行事業者」としての登録手続きが必要です。手続きをすると事業者ごとに登録番号が発行されて、この番号を記載しなければインボイス(適格請求書)として認められないというルールになっています。

売り手側の対応

買い手側から求められた場合、インボイス(適格請求書)を交付しなければなりません。交付したインボイスの写しを保存しておきます。

買い手側の対応

仕入税額控除を適用するには、原則として売り手から発行されたインボイスを保存しておく必要があります。ただし簡易課税制度や2割特例などを適用する場合は、インボイスがなくても消費税の計算は可能です。

マンション管理組合がインボイスの影響を受けないケース

そもそもマンション管理組合は、分譲マンションを購入した区分所有者による自主管理組織です。区分所有者から管理費を徴収しますが、管理費収入というのはそもそも「不課税」の取り扱いになります。課税売上には含まれないので、消費税の納税義務はなく、インボイス制度の影響は生じないでしょう。

区分所有者から管理費等を徴収するときに「インボイスを発行してほしい」と依頼される場合があるかもしれません。しかしそもそも管理費が不課税取引ということは、インボイスの有無にかかわらず、区分所有者側は管理費分の仕入税額控除を受けられないということになります。その旨を区分所有者へお伝えするとよいでしょう。

マンション管理組合がインボイスの影響を受けるケース

外部から収益を得ていれるなら消費税の課税対象

一部の管理組合では、区分所有者以外からの収益を得ているケースがあります。同じ駐車場を貸して収入を得る場合でも、相手が区分所有者であれば不課税ですが、外部の方に貸して収入を得る場合は消費税の課税対象です。

(例)
・駐車場、共用施設、ゲストルームなどの外部貸しの収入
・広告看板、携帯基地局、電柱、自動販売機などの設置収入
・太陽光発電設備、風力発電設備による電力売却収入

この場合、取引先が管理組合に対して「インボイスを発行してほしい」と依頼してくる可能性もあるでしょう。ところが管理組合がインボイス事業者として登録していなければ、インボイスは発行できません。その場合、取引先の納税負担が増えるため、その分の値下げ交渉をされたり、取引を減らされたりする可能性があります。

管理組合は「電子帳簿保存法」の対象

納税義務が生じているなら電子帳簿保存法への対応も必要

またインボイス制度と合わせてチェックしておきたいのが、2024年1月より義務化された「電子帳簿保存法」。これまで紙で保存されていた税務関係の書類・決算書類・取引関連書類などを、電子データで保存するための法律です。

管理組合が収益事業をしていて、納税義務が生じている場合は、電子帳簿保存法への対応も必要です。ただし請求書を自主管理していない場合は、管理会社が対応してくれる可能性も高いでしょう。

電子データでやり取りした書類

電子データでやり取りした書類は、電子データとしての保存が必要です。紙での保存もできますが、税務調査で電子データをダウンロードするように求められるケースがあるため、電子データの破棄はできません。

紙でやり取りした書類

紙でやり取りした書類、紙のまま保存することも可能です。またスキャナなどで電子データ化して、紙の保存スペースをなくすこともできます。

管理組合のインボイス対応は収益の有無によって分かれる

管理組合がインボイスに対応すべきかどうかは、その管理組合が収益事業を行っているか・いないかで対応が分かれます。収益事業を行っている管理組合がインボイスに対応しない場合、運営へ悪影響を与える可能性もあるため注意が必要です。

また、収益事業を行っている管理組合は電子帳簿保存法の法律も関係するため、インボイスと合わせて理解しておきましょう。

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