マンションに取り入れたい風水の条件とは? おすすめの間取りも解説
「風水」とは、古代中国から発し、東アジアに広がった自然観、環境観です。地形や水流、植物などの自然環境と方位などを掛け合わせて、環境の良し悪しを測定します。
古来より中国や韓国、沖縄などで都市建設の際にも取り入れられてきた考え方で、室内環境の判断にも採用されています。
ここでは、マンションに関連する風水の考え方を紹介します。
マンション選びで活用したい風水のポイント
【ポイント1】立地が「四神相応」
マンションに関連する風水のポイントとして、まずは立地が「四神相応」であるかどうかがあげられます。
四神とは、四方を司る神を指し、東が「青龍」、西が「白虎」、南が「朱雀」、北が「玄武」です。また、それぞれの四神と自然環境を関連させ、東に流水、西に大道、南に汚地、北に丘陵がある環境を指すケースもあります。
この四神に対応した土地が最良とされている考え方が「四神相応」です。平家物語には、平安京の立地も四神相応であったと記述されています。
わかりやすくいうと、東に川、西に道、南に平野、北に山がある立地が風水的に良い土地です。
また、欠けている部分のない四角の地形のほうが、運気の「欠け」がないと考えられています
【ポイント2】外観が四角い箱形
前述のとおり、欠けのない四角形は気が安定するとされています。ただし、完全な正方形は悪い運気も良い運気も入りにくく、「結界が張られている状態」「気が張りつめすぎてしまう」などの注意点もあり、適度な長方形が良いといわれています。
風水では、建物の凹凸のうち、へこんでいる部分を「欠け」、出っ張っている部分を「張り」といい、欠けは凶、張りは吉と判断されます。なお、張りも鬼門(北東)・裏鬼門(南西)にあたると凶となるため要注意。
三角形など張りの多い形は、邪気がたまり、人間関係のストレスも抱えやすいという懸念も。また、円柱形は全方位のパワーが下がるため、発展性がなく、運勢も逃げていくと考えられています。
上層階に向かうほど小さくなる「ピラミッド型」は吉相です。
【ポイント3】外壁が周囲になじむ色
風水では方角だけでなく色も重要な要素です。奇抜な色は「気を乱す」とされているため、マンションの外壁は白やベージュなど、周囲の建物になじんで違和感のないカラーがよいでしょう。
ベージュは穏やかな安心感を与え、人間関係の調和に好影響を与える色です。金運アップの金色の要素も含まれるため、家庭運、仕事運、金運、健康運、恋愛運と、さまざまな方面での運気アップが期待できます。
【ポイント4】建物全体の日当たりが良い
日当たりや風通しの良さは環境の良さに影響しますが、風水でも吉と考えられています。
風水において良い気とされる「旺気(おうき)」は、明るく風通しの良い場所を好みます。日当たりが悪いとパワーが不足しやすいため、全体に太陽の光があたる土地や建物が良いでしょう。風通しも、良い気を運ぶのに重要です。
【ポイント5】建物周辺に自然がある
周辺に自然があると、建物に囲まれている場所よりも心地よく感じるでしょう。風水においても、緑や大地のエネルギーは人に好影響を与えると考えられています。
マンションの周辺にも、植栽や庭があると運気が上がり、気持ちよく過ごせるといえそうです。
ただし、あまりにも木が多く閉塞感があったり、手入れが行き届かず荒れていたりする場合には、悪い気が流れて逆効果になります。
【ポイント6】低層の奇数階
自然のエネルギーとも関連しますが、風水の考えでは住戸の階数が高くなるにつれて大地のエネルギーが届きにくくなるため、低層階の住宅のほうが運気が良いとされています。
また、中国の戦国時代に発生した「陰陽五行」の考え方では、奇数は「陽」として縁起が良く、偶数は縁起の悪い「陰」となります。
風水で具体的な高さや階数が定められているわけではありませんが、「5階以下」程度を低層の目安としているケースが散見されます。
風水の観点からいえば、マンションの階数は1階、3階、5階が風水的に良いと考えられそうです。
風水から見たマンションにおすすめの間取り
【玄関】広くて明るい
玄関は人だけでなく、気の出入り口でもあります。運気を上げる「旺気」に対し、運気を下げる気は「煞気(さっき)」と呼ばれますが、こうした悪い気も流れてくるのです。
先述の通り、旺気は明るく風通しの良い場所に集まるため、玄関もできるだけ広く明るいほうが良い気が流れてきます。明るいライトを付けるのも効果的といえるでしょう。
広さや明るさが十分でない場合には、靴やモノをなるべく出したままにせず整頓し、こまめに掃除して清潔さを保てば、良い気を呼び寄せるといわれています。
【リビング】家の中心にある
家族が集まるリビングは、家族運や健康運などに関わる重要な場所です。家庭の「芯」であるという考え方からも、中心にあるほうが良い気が集まるとされています。
リビングが中心にあると、自然と家族が集まり触れ合う空間となって家族仲が良くなる、人の出入りが増えて風通しが良くなり健康状態もよくなる、といったメリットがあると考えられます。
中心にリビングがない間取りの場合にも、自然光を取り込めるよう窓を大きくしたり、空間が明るく見えるようカーペットやラグの色を変えてみたりと、他の方法で運気を上げてみてください。
【寝室】北側にある
風水では、北は心が落ち着き、エネルギーが貯まりやすい方角です。寝室を北側にすれば、熟睡できたり、健康運が上がったりするとされています。
窓は玄関と同じように運気の出入りがあるため、落ち着かない場所とされています。ベッドは窓から離す、または厚手のカーテンで良い気が外に流れるのを防ぐといった対応をするとよいでしょう。
隙間ができると強い気の流れができてしまうため、壁とベッドは付けておくのがおすすめ。梁の下は空気の流れが変わりやすく、悪い気の流れがあるとされているため、梁の下で寝ないようにするのもポイントです。
また、鬼門である北東は基本的に寝室に向きませんが、鬼門で育った子どもは我慢強くなるという考えから、後継ぎに向いているといわれています。
【水回り】設備は東と東南に
自然のエネルギーである「水」は、風水で大きな影響を持ちます。
水回りと相性がいいのは、東や東南です。金運が上がる西側に水回りがあると、運気が流れてしまうため注意しましょう。
基本的に鬼門は避けるよう考えられており、とくに浴室が鬼門の北東にあると、心身が浄化できずに体調を崩しやすくなるとも考えられています。
一方、不浄の場所とされるトイレには吉相がないといわれており、方位よりも清潔さや風通しの良さが重要です。
安全面や機能性をおろそかにしない
風水で良いとされる、すべての要素を満たしたマンションを見つけるのは難しいといえるでしょう。また、意識するあまり、肝心の生活機能や安全面がおろそかになってしまっては本末転倒です。
かならずしも立地や間取りにこだわりすぎず、室内アイテムの色や置き場所などを工夫してみるのも一つの方法といえます。
優先順位を見誤らないように注意
風水は、古くからよりよい環境を判断するために用いられてきた一種の測定術です。精神的な影響だけでなく、日当たりや風通し、自然の多さなどによる影響も含まれています。住みやすく資産価値の高い物件を選ぶ際にも参考になるといえるでしょう。
しかし、風水にはさまざまな流派や捉え方があり、唯一の正解はありません。あくまで参考として活用し、安全面や機能性、利便性や自分の住みやすさといった優先順位を誤らないように判断したいですね。