マンション管理組合と理事会の違いは? 主な活動内容も解説
マンションの管理組合と理事会は、どちらも区分所有者によって構成される組織です。
「名前は見聞きするけど、どのような違いがあるのか正確にはわからない」という人もいるのではないでしょうか。
この記事では、管理組合と理事会がそれぞれどのような役割を持つかを解説していくので、それぞれの違いについて学んでいきましょう。
マンション管理組合と理事会の違い
管理組合は区分所有者で構成された団体
マンション管理組合は、その名のとおりマンションの管理を行う組織です。
管理組合のメンバーはマンションの区分所有者で構成されます。マンションを購入して区分所有者になると自動的にそのマンションの管理組合員になる仕組みとなっており、本人の希望の有無に関わらず必ず加入しなければなりません。
マンションを売却して区分所有者でなくなると、管理組合員の資格も喪失します。
管理組合は、必ずしも設立が義務付けられている組織ではありません。建物の区分所有等に関する法律、通称「区分所有法」には、「区分所有者はマンション管理を目的とする団体を設立し、管理業務を行うことができる」という旨の記述がありますが、「設立しなければならない」とは書かれていません。
実際に、東京都都市整備局が2013年に公表した「マンション実態調査結果」によると、東京都内にあるマンション全体の6.5%に当たるマンションで管理組合が設立されていないという結果が出ています。
ただし、大多数のマンションには管理組合が設立されているので、基本的には「マンションを購入する=管理組合に加入する」という図式であると覚えておきましょう。
理事会は管理組合の代表者からなる執行機関
理事会は、管理組合の役員である理事が集まり、管理組合で必要な業務を進める執行機関です。
理事会には役職があり、「理事長」「副理事長」「会計担当理事」「監査」「理事」を置くことがマンション標準管理規約で定められています。
役員はマンション総会の場で管理組合員の中から選出されますが、決める方法は立候補、輪番制、推薦、くじ引きなど様々です。
理事の任期に法的な定めはありません。一般的には、1年ごとや2年ごとの周期でほかの管理組合員と交代させているマンションが多いようです。
管理組合の活動内容
ここからは、それぞれの組織がどのような活動をしているのかをみていきましょう。
管理組合の活動には、マンション共用部分の清掃や設備の日常的なメンテナンス、管理費と修繕積立金といった管理組合で集めるお金の管理、大規模修繕の進行などがあります。これらはどれも、マンションの資産価値の維持につながる活動といえるでしょう。
実際の管理業務は管理会社が担当しているというマンションが大多数ですが、その場合は管理組合から管理会社へ管理業務を委託している形となります。
ほかにも法律やマンションの状況に応じて必要が発生した際に、管理組合の活動のルールブックともいえる管理規約を変更するのも、管理組合の重要な役割です。
理事会の活動内容
理事会は月に1回程度のペースで開催されるのが一般的です。定期的に開催する理事会の場では、修繕費積立金や管理費についての会計報告やマンションで発生した問題への対策方針の議論などが行われます。
また、年に1回開催が義務づけられているマンションの通常総会の招集は理事長の役割です。さらに、総会当日の議長も原則として理事長が務めなければなりません。
理事会と総会は混同されるケースが多いので、それぞれの違いを覚えておきましょう。総会は管理組合の最高意思決定機関です。年間の予算案や管理規約の改定など、マンションにおける重要事項に対して区分所有者の意思を統一させる決議の場とされています。
それに対する理事会は、総会の場で決められた事項を実現させるために、必要な業務を実施する組織です。
管理組合で早急に決めなければならない課題が発生した場合、理事長は年に1度の通常総会を待たずに、臨時総会を招集することも可能です。
理事会は管理組合を代表する役員で構成される
管理組合と理事会、両者の関係は「理事会は管理組合の代表」という図式が理解できれば、間違いづらくなるでしょう。
区分所有者は誰しも、いつか理事会として活動する可能性があるので、その時に備えて正しい知識をつけておいてください。