自治会費の相場は毎月1〜300円! どんなことに使われているの?
月に数百円程度の自治会費ならそこまで重い負担ではないかもしれませんが、月に1000円以上となると「本当に必要あるの?」と思う方もいるかもしれません。
そんな方に向けてこの記事では、全国の自治会費の相場や使い道はもちろん、会費を納めるメリットは本当にあるのか改めて整理していきたいと思います。
全国の自治会費の相場はいくら?
Jタウンネットが全国2140名に行った調査によると、地域によって異なるものの毎月の自治会費は「1~300円」と答えた人が約3割と、最も多かったといいます。次いで多かったのは「301~500円」と、500円以内が約半数という結果になりました。1000円以上は17.9%と、割合としては少ないものの一定数いることがわかります。
都道府県別の傾向を見てみると、首都圏や大阪などではいずれも「1~300円」が最も多い結果に。都市圏ほど、会費が低い傾向にあるようです。一方で東北などは「301~1000円」のゾーンが多いなど、人口の少ない地方や震災の被害を受けた地域ほど自治会の必要性が高まるためか、会費は高い傾向にあります。
自治会費はどうやって集金される? 集金文面の例も紹介!
自治会費の集金は、自分の所属する班の班長が訪問に来るので、その場で支払うのが一般的です。
集金の日時や金額は、回覧板などの書面にて事前に告知されることがほとんど。案内文面には「金額」「集金期間」「訪問時間の目安」「班長」の連絡先などが記載されています。
【集金文面の例】
令和〇年〇月〇〇日
〇〇自治会員各位
〇〇年度会費集金のお知らせ
〇〇自治会長 〇〇 〇〇
新緑の候、皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。日ごろより、自治会活動にご参加いただき、誠にありがとうございます。さて、〇〇年度の会費を下記の要領にて集金させていただきますので、お知らせいたします。ご多忙中誠に恐れ入りますが、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。また、円滑に集金を行うため、おつりが出ないようご用意いただけると幸いです。
1.会費 〇〇円
2.集金期間 〇月〇日~〇月〇日まで
3.集金時間 〇時~〇時
4.集金担当 各班(組)の班長(組長)が行います。
5.連絡先 〇〇(TEL 〇〇〇-〇〇〇〇)
上記の集金期間、不在のご予定がある方は、前もって会費を班長いお渡しくださいますようお願いいたします。
以上
自治会費はどんなことに使用されてるの?
自治会費の使い道としては、主に以下のような活動が当てはまります。
・子どもの安全のための見守り
・防災訓練の活動
・避難所・避難用品の管理、防災灯管理などといった自主防災
・清掃活動、リサイクル、ゴミ収集所管理などの環境美化
・地域のお祭りなどといった伝統文化継承活動
・集会所・公民館・公園・広場などの公共施設の維持管理
・回覧板・掲示板など情報伝達活動
・赤い羽根募金や赤十字などイベントの寄付金の徴収
・行政への陳情・要請の活動資金
もちろん実施する活動は地域によって異なりますが、これだけ見ると、意外と会費の使い道は多岐に渡るといえるのではないでしょうか。
会費にまつわるトラブルに遭遇したらどう対処すべき?
自治会を脱退したにもかかわらず、会費を徴収する担当役員から「住民としての決まりなので払ってください」と、半ば強制的に払わされるといったトラブルもあるようです。これは会費にまつわるトラブルのなかでも極めて悪質なケースですが、そのほかにも会費の滞納がトラブルに発展してしまうケースもあるでしょう。
万が一トラブルに遭遇したら、まずは自治体などの第三者に相談するといった流れが基本。自治体へ相談しても取り合ってもらえない場合は、弁護士への相談も選択肢に入ってきます。なお、弁護士へ依頼する際は過去に自治会関係の案件を担当したことがあるか、事前に調べておきましょう。
本当に会費を支払うメリットはあるの?
「自治会なんて面倒なことばかりで、わざわざ会費まで払いたくない!」という方もいるのではないでしょうか。確かに実生活の中で、「自治会があって良かった」と感じる機会はもしかすると少ないかもしれません。
しかし、万が一の災害時などで助け合うことができたり、地域の人と良好な人間関係を保っておくことで無用なトラブルの回避につながったりといったメリットはあります。さらにここでの情報交換から我が子の交友関係などを客観的に把握しやすくなるのはもちろん、地域の行事を通じて先生や親以外の大人との接点が増えることで、子どもの教育にも良い影響を及ぼすのではないでしょうか。
自治会費の勘定項目は? 消費税はかかる?
自治会費の勘定項目に明確な規定はありません。多くの場合、「諸経費」や「雑費」として処理されます。
また、自治会費に消費税が課せられることは原則ありません。そのため、消費税が増税されたという理由で自治会費が高くなることもないと考えられます。
ただ、国税庁によると「会費を支払ったことで対価を得る場合は消費税がかかる」とのこと。つまり、自治会主催で開催したセミナーの参加費などは、「講演内容」という対価を得たと考えられるため、消費税がかかるようです。
治安維持や環境美化など会費の使い道を踏まえて加入の検討を!
高齢者のケアや、災害時の助け合いなど、やはり住みやすい町づくりに必要といえる自治会。子どもの見守りといった治安維持活動や清掃をはじめとした環境美化など、自分たちにも恩恵がある活動のために会費が使用されることを踏まえて、加入を検討してみましょう。