理事・管理

自治会の「会計報告書」はどうやって作成する? 記載項目を紹介!

2020.08.06
自治会の「会計報告書」はどうやって作成する? 記載項目を紹介!

自治会会計係の大きな仕事の1つが、総会で使用する「会計報告書」の作成です。初めてだと戸惑うこともあるかもしれませんが、書き方さえ知っておけばそこまで難しくはありません。

今回は会計報告書の書き方と、記載する各項目について解説。便利なテンプレートも紹介していきます。

そもそも自治会の会計報告書とは?

会計

会計報告書とは、自治会のお金の出入りをまとめた書類です。基本的には、以下のような項目が記載されます。

・どのような収入があったか(会費、寄付金など)
・どのような活動にいくら支出したか
・予算と比較して現実の収支はどうだったか
・赤字 or 黒字

会計報告書は「いくら収入があって、何にどれだけ使ったのか」という活動の収支結果を会員に共有するために、少なくとも年に1回開催される総会で使用されます。

活動内容の可視化と適切な運営が目的

なぜ会計報告書は必要なのでしょうか?

改めて目的を整理すると、1つは会員からの信頼度を高めるためです。各会員は、自分が支払っている会費の金額はわかっていますが、活動に費やす支出については報告がなければ把握できません。会費の使用用途がわからなければ、不信感にも繋がりかねないため、定期的に報告を行います。

2つ目の目的は、自治会の運営の見直しです。お金の出入りを客観的に把握し、予算の配分は適切かどうかを確認。そして、次年度の予算立てに活かします。

自治会の会計報告書は日々のお金の出入りを記録することが大前提!

通帳

続いてどのように会計報告書を書けば良いのか、大まかな流れから見ていきましょう。

会計報告書のもとになるのが、日々のお金の出入りを記録する「現金出納帳」と「預金出納帳」です。

現金出納帳はすべての現金取引について記録した書類です。対して預金出納帳は、銀行口座ごとにすべての入出金について記録した書類となります。

それぞれ、お金の出入りがあるたびに以下の項目を記録していきましょう。

・日付
・勘定科目(会費収入、会議費、交通費など)
・取引内容(使用用途、誰から受け取った会費かなど)
・金額
・残高

なお、支出があったときには必ずレシートや領収書も保管しておきます。

企業で一般的に用いる「複式簿記」は複雑な帳簿付けが必要ですが、自治会では簡単な「単式簿記」を使用するケースがほとんど。家計簿のようなイメージで、現金や預金残高が増えたり減ったりしたときに記録します。

帳簿への記録がすべてそろったら、それをもとに会計報告書にまとめます。ほとんどの自治会では、会計報告書のテンプレートが決まっていて、前年度の会計係から引き継がれます。その項目に則って、各項目を記載していけば良いでしょう。

無料テンプレートもある!

もしテンプレートが準備されていない場合、エクセルなどの表計算ソフトを使って作成するのが便利です。ただし、一からつくるのは大変なので、以下のような無料テンプレートの活用も検討しましょう。

・マイクロソフト 会計報告書(町内会・自治会)
https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/template/result.aspx?id=13249
・決算報告書の雛形の無料ダウンロード
https://www.hinagata-free.com/jichikai/jichikai19.htm

自治会の会計報告書の項目(決算金額のみを記載する場合)

では、会計報告書の各項目の計算方法などについて、詳しく解説していきたいと思います。

そもそも自治会の会計報告書には、主に「決算金額のみを記載するタイプ」と「予算と決算金額を比較するタイプ」の2パターンがあります。

まずは決算金額のみを記載するタイプの会計報告書を作成するときに、記入すべき項目を見ていきましょう。

【1】収入の部・支出の部

今期の収入がいくらで、支出はいくらだったのか、それぞれ分けて算出します。現金出納帳・預金出納帳をもとに、各項目を記入していきましょう。

【2】科目

お金の用途を大きくグループ分けした勘定項目を決めておきます。この科目名にルールはないので、自治会ごとにわかりやすく分類を決めておきましょう。

(例)
収入の部
・会費:会員から集めた会費
・助成金:国や市町村からの助成金や補助金
・雑収入:預金利息など

支出の部
・会議費:会議のためのお茶代、菓子代、会場使用料など
・消耗品費:日用品、事務用品、パソコンなどを購入した費用
・交通費:電車、バス、タクシー、飛行機、ガソリン代など
・施設管理費:施設の掃除、修繕、設備メンテナンス費用など

【3】前年度繰越金

前年度から引き継がれた繰越金を記載します。具体的にいうと「前年度の最終日に残っていた現金+すべての預金口座の残高」の金額です。

前年度の会計報告書にある「次年度繰越金」と、金額が一致しなければなりません。

【4】摘要

科目に「会議費」と書かれていても、それが具体的に何に使われた費用かわかりづらいですよね。そこで「摘要」の欄では、各科目の詳しい内容を記載します。会計報告書を見た会員がわかるように、使用用途を具体的に書きましょう。

(例)
・会費→自治会費
・助成金→市からの助成金
・会議費→総会飲み物代、菓子代
・活動費→清掃活動飲食代、子供会飲食代 

【5】当期収入合計

当期の収入がいくらあったか、合計金額も記載します。ここに、前年度繰越金は含まれません。

会費や助成金、雑収入など、収入の部の各科目を足した合計金額を算出しましょう。

【6】収入合計

「【3】前年度繰越金+【5】当期収入合計」の合計額です。後ほど計算する「【9】支出合計」と同額になります。

【7】当期支出合計

当期の支出がいくらあったかという合計金額です。会議費や消耗品費、交通費や施設管理費など支出の部の各科目を足した合計額を算出しましょう。

【8】次年度繰越金

「【6】収入合計-【7】当期支出合計」を記入します。なおこの金額が、次年度にそのまま繰り越すお金となります。

そのため、次年度会計報告書の「前年度繰越金」に記載しましょう。

【9】支出合計

「【7】当期支出合計+【8】次年度繰越金」を足した金額です。「【6】収入合計」と、同額でなければいけません。

自治会の会計報告書の項目(予算と決算金額を比較する場合)

「予算通りに運営できたかを確認したい」場合、予算と決算金額を比較する会計報告書を作成すると便利でしょう。次年度の予算配分を計画する際にも役立ちます。

基本的な項目は決算金額のみの会計報告書と変わりませんが、「予算金額」「比較増減」という項目を新たにプラスします。

【1】予算金額

前年度の総会で、該当する年度の予算計画を立てたかと思います。その金額をそれぞれ記入していきましょう。

【2】決算金額

前述した決算金額のみの会計報告書と同様に、収入・支出の部に分けて、それぞれの合計額を算出していきましょう。

【3】比較増減

「【1】予算金額-【2】決算金額」の計算結果を記入します。この数字がマイナスであれば予算オーバー、プラスであればお金が余ったという意味です。ここで算出した増減額をもとに、次年度の予算も決めていきましょう。
※自治体によっては計算式が異なっており、【2】決算金額から【1】予算金額を引く場合もあります。

会計報告書作成の前に日々のお金の見える化を!

会計報告書は自治会の活動内容に関する透明性を高め、次年度の予算を組むときに役に立ちます。普段からお金の出入りを正確にまとめておくことで、会計報告書もスムーズに作成できるのではないでしょうか。

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