理事・管理

自治会ってなに? その役割は? 自治会費は必要なの?

2020.05.15
自治会ってなに? その役割は? 自治会費は必要なの?

自治会とはその地域に住んでいる住人同士が、共同の利益実現や親睦のために活動する「任意団体」のこと。任意団体のため参加の義務はありません。しかし、暗黙の了解として自治会に参加している人も多いのでは?

そこでこの記事では「いつも自治会費は払ってるけど、自治会に入るメリットってあるの?」という方に向けて、自治会の役割や入会するメリット・デメリットなど説明します!

自治会の運営は住人の自治会費によってまかなわれる

住人同士が助け合い、住みやすい地域を作っていくために任意で組織される自治会。主に自治会に参加する住人が納める自治会費によって、運営されています。なお、地域によっては行政からの補助金や委託金が運営資金の一部になっていることもあるようです。

ちなみに「自治会」に似た組織として「町内会」があります。ただ、実は「自治会」と「町内会」は呼び方が違うだけで、基本的に活動内容は同じ。傾向として、戸建てが多い住宅地は「自治会」ではなく「町内会」と呼ばれることが多いといいます。この記事では自治会=町内会も含むものとして、話を進めていきますね。

自治会費の相場は月1〜1000円以上と、自治会よって大きく差がある!

Jタウンネットが全国2140名に行った調査によると、地域によって異なるものの毎月の自治会費は「1~300円」と答えた人が約3割と、最も多かったといいます。次いで多かったのは「301~500円」と、500円以内が約半数という結果に。なお1000円以上は17.9%と、割合としては少ないものの一定数いるようです。毎月納めるのか、1年に1度まとめて納められるのかも自治会によって変わってきます。

納める方法としては、管理費と同様に引き落としになっているか、自治会の代表者が集金のために各家を訪問して周るなどが一般的です。

防災訓練や清掃活動のほか地域の治安維持活動も実施!

子どもの見守り

では、自治会の役割はいったいなんでしょうか?

内容は地域によって異なるものの、多くの自治会で共通している活動としては次のようなことがあります。

・祭り運営などの地域交流
・子どもの登下校の見守りなどの防犯・交通安全活動
・防災訓練、避難用具の管理、防災灯管理などの防災活動
・清掃、リサイクル、ごみ収集所管理などの環境美化活動
・地域の伝統文化継承活動
・集会所、公民館などのコミュニティ施設の管理
・回覧板や掲示板などによる情報伝達活動
・赤い羽根募金などの寄付金の徴収
・行政への陳情・要請

基本的には防災訓練や清掃活動、町内のお祭り運営などのほか、行政や警察などと連携を取ることで地域の治安維持に努めるといったことを実施しています。

各家庭が自治会に入会するメリットって?

自治会費だけは一応納めているものの「本当に自治会に入るメリットはあるの?」と思う方もなかにはいるでしょう。そんな方に向けて、改めて自治会に入るメリットを調べてみました。

【メリット1】万が一の事態が起こったときの助け合いになる

自治会に入会すると、祭りの準備や交代制で行う登下校の見守り当番があったり、回覧板が回ってきた際などに自然と地域の方々と会う機会が増えたりすることにも。地域の情報を収集する機会にもなり得るため、特にその地域に引っ越してまだ日が浅いのであれば活用価値が高いものです。

また、自治会に参加して地域の方々と親睦を深めておけば、災害時などでもお互いに助け合うことができます。地域住民と普段からコミュニケーションを取ることで、良好な人間関係を保つことができれば、ご近所トラブルも軽減されそうですよね。

【メリット2】地域全体で子どもを育てられる

お祭り

自治会は地元の幼稚園や小学校と連携して交通安全活動などを行っていることも多く、子ども会やお祭りなど、地域の園児や小学生が楽しめるイベントを教育行政と合同で企画・運営している場合も。自治会に入会することで、学校以外でも子どもたち同士が接する機会を作ることができます。

また、先生や親以外の大人との接点も増えるでしょう。結果として家庭や学校だけでなく、地域全体で子どもを育てていくことにもつながります。

メリットだけじゃない! 入会にはデメリットも!

とはいえ、メリットだけでなくデメリットもあります。以降で改めて確認してみましょう。

【デメリット1】イベント開催費や寄付金などの金銭的負担がある

自治会によっては自治会費とは別にイベントごとに開催費用を納める必要があったり、赤い羽根募金など、第三者機関への寄付金を集金したりするケースもあります。寄付などは任意ですが、付き合いを考えるとなかなか断りづらい部分もあり、やむを得ず支払わなければならないこともあるでしょう。

ただ、こういった金銭的負担もデメリットばかりではありません。その地域で開業している方にとっては寄付者としてイベント時に名前を出してもらえるなど、PR効果が期待できる部分もあります。

【デメリット2】役員になると会議などの業務負担が増える

自治会では入会している住人から会長や副会長、書記や会計などの役員を選出し、仕事を分担して活動していくことになります。役員の担当は輪番制になっていることが多く、いずれは何かしらの役職が回ってくるもの。役員になると、定期的に開催される会議に出席するなど、業務面で負担を感じることもありそうですね。

とはいえ、役員が回ってくるのは数年あるいは十数年に1度程度。役員でないときは回覧板をお隣さんに渡すくらいの手間しかない自治会も多くあります。

もちろん自治会によって活動内容や会議への出席率なども異なるため、気になる方は役員が回ってくる頻度や活動内容について入会前に聞いておくと良いでしょう。

管理組合と自治会の違いとは?

マンションに住んでいる場合に混同しやすいのが「管理組合」と「自治会」の違いです。管理組合とはマンションの購入者であれば、必ず加入しなければならない組織のこと。マンションの管理を主な目的としており、住人が納める管理費などで運営を行います。

「管理組合に入っているのだから、自治会は不要」と思われるかもしれませんが、管理組合と自治会はあくまでも別物。管理組合が中心となって子ども会などのイベントを開催することもあるものの、管理組合の役割はマンション内の管理。建物内の特に共用部分の管理・維持を目的とした団体であり、地域との交流に重きを置いているわけではありません。

とはいえ、近年では管理組合にも自治会と同様の目的や役割を持たせるような地域も出てきているといいます。

例えば千葉市では、2011年の東日本大震災の発生をきっかけに、地域コミュニティの大切さを再認識。一定の要件を備えたマンション管理組合を、自治会・町内会と同様の組織として位置付けています。
これは、管理組合であっても市と委託契約が結べるようになるということ。市が行政上の目的で配布する資料を代わりに住人に回覧するなど、業務の一部を受託できるようになります。

自治体から業務を受託するメリットとしては、行政からの情報を直接入手しやすくなることに加え、委託料として自治体から収入が得られること。お住まいの地域において、管理組合と自治体が委託契約を結べるか、気になる人は一度確認してみましょう。

自治会への加入が有事の際の大きな安心に

自治会へ入会したことで、日常的に大きなメリットを感じる機会はもしかすると少ないかもしれません。しかし近隣の方といつでも助け合える環境があれば、万が一の災害時など、有事の際の大きな安心へとつながります。

まずはマンションの管理組合に自治会の活動内容を聞き、加入するかどうか検討してみましょう。

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