エレベーターに閉じ込められた!? 覚えておきたい対処方法
突然エレベーターが止まり、「閉じ込められた!」という事態はそうそう起きることはありません。しかし、地震などの災害が発生した場合に備えて、緊急時の対応や事前にできる対策をある程度知っておきたいところ。
この記事では、万が一エレベーターに閉じ込められてしまったときに慌てないために、その場の対処法や事前の対策について紹介していきます。
エレベーターが止まる主な原因は?
エレベーターが止まってしまう原因としては、主に以下の3つがあげられます。
・地震の揺れを感知した安全装置の作動
・雷、地震、火災、大雨などの災害による停電
・電気設備の故障
地震の場合、揺れを感知した際に、最寄りのフロアで急停止するシステムを搭載したエレベーターであれば、停止したフロアで降りられるため安心です。その他、自然災害によって停電が起こり、急停止してしまうこともあります。
また、エレベーター用ワイヤーロープなど、設備の故障トラブルで停止してしまうケースも考えられるでしょう。
なおエレベーターには原則複数本のケーブルがあり、1本でも残っていればエレベーターを支えられる仕組みとなっています。例えケーブルが全部切れてしまっても、エレベーターに備えつけられている自動ブレーキが作動するため、よほどのことがない限り落下することはありません。ですが、万が一落下するようなことがあった場合は床の真ん中でうつ伏せになり、衝撃に耐えられるような姿勢を取ることが大切です。
緊急時に知っておきたい3つの対応
では、もしエレベーターが止まってしまった場合、どのような対応を行えば良いのでしょうか。以降で3つ、紹介しますので覚えておきましょう。
【対応1】非常ボタンを使って外部と連絡を取る
エレベーターに設置された非常ボタンを使用し、インターホンを通じて外部と連絡を取りましょう。
なお非常ボタンがなかったり、インターホンを通じて外部と連絡が取れなかったりする場合は、携帯電話を使用して連絡を取ってみてください。一般的なエレベーターであれば操作盤やその周辺に、緊急時の連絡先電話番号や管理会社の名前などが書かれているはずです。
飛び跳ねてエレベーターを揺らしたり動かそうとしたり、無理矢理ドアを開けて脱出を図ろうとしたり、エレベーターに刺激を与えると事態が悪化してしまう可能性があります。もしドアが開いたとしても何らかの影響で急に動き出したエレベーターに挟まれてしまう危険性などもあるため、連絡した相手からの指示があるか、エレベーターが再稼働するまで落ち着いて待ちましょう。
【対応2】備蓄ボックスの有無を確認
必ず設置されているわけではないですが、非常灯などの防災用品が入った備蓄ボックスがエレベーターに設置されていることもあります。普段から、どの位置にあるか確認しておきましょう。
【対応3】体力を温存するために楽な姿勢を保つ
エレベーターは密室ではあるものの一般的にはある程度の通気性もあり、酸素が尽きることはありません。とはいえ特に夏場などはエレベーター内の温度や湿度が上がり、熱中症などになってしまう可能性があるため、待っている間はなるべく座ったり寝そべったりといった楽な姿勢を心掛けたいところ。
脱水症を引き起こす可能性もあるため、手持ちに飲料水などがある場合、少しずつ口にふくみましょう。尿意を気にして水分をまったく取らないということは避けたほうが良いでしょう。
万が一に備えて普段からできる事前対策とは?
万が一エレベーターが止まった場合に備えて、日頃から対策を講じておくことも大切です。以降では、考えられる対策を3つに整理してみました。
【事前対策1】日頃からのメンテナンス
普段使用しているエレベーターに、以下のような症状が見られる場合は管理会社に相談してみましょう。
・ガタガタと気になる音がする
・異臭がする
・昇降の際の揺れが激しい
・フロアに着いても扉が開かない
・ボタンを押していたのにそのフロアに止まらない
・以前より昇降スピードが遅くなった
・エレベーターの出入り口の段差が大きくなった
・雨漏りがある
症状がある場合は、管理会社を通してエレベーターのメンテナンスを行う業者に点検を依頼しましょう。
【事前対策2】エレベーターに備蓄ボックスを設置する
特に災害時であれば、救助がすぐに来るとは限りません。救助が到着するまでの長時間をエレベーター内で過ごすことを想定して、あらかじめ防災用品を設置しておくと安心です。
【対応2】でも紹介した備蓄ボックスに簡易トイレや飲料水、電池などで作動するライトやラジオなどがあると、ある程度の時間を待機することができるでしょう。
【事前対策3】防災訓練でのシミュレーション
災害時は閉じ込められることもありますが、反対に自分が助けるという場面も出てくるかも知れません。定期的に実施する防災訓練で、エレベーターに閉じ込められた場合のシミュレーションを行っておくと良いでしょう。
非常時はまず落ち着いて。事前に非常ボタンや備蓄ボックスの位置を確認しておこう!
非常時には、とにかく落ち着いて行動することが大切です。少しでも冷静さを保てるように、エレベーター内に設置してある非常ボタンの位置や防災用品が設置してあるかなど、事前に確認しておきましょう。