停電したらオートロックも動作しない? 緊急時の対応マニュアル公開!
地震・火災・設備点検などでマンションが停電すると「共用エントランスや各住戸玄関のオートロックシステムはどうなるの?」「締め出される心配はないの?」と思う方もいるでしょう。
そんな方に向けてこの記事では、停電時におけるオートロックの対応方法を中心に解説していきます。
停電中はオートロックも作動しなくなる!
そもそもオートロックとは、「ドアが閉まったときに自動的に施錠する」システム。多くのマンションの共用エントランスでインターホンや自動ドアとともに採用されており、鍵・カード・暗証番号などで開く仕組みとなっています。
最近はエントランスだけでなく、各住戸の玄関・非常口に導入されるケースも増えてきました。
マンションのオートロック設備は、ほとんどが電気で動くタイプ。壁や床下を通る配線からの電気を動力としているため、停電中はカードや暗証番号を使っても施錠・解錠はできないわけです。
停電時の対応はオートロックの種類によって異なる
では急な停電が起きたとき、オートロックはどのように施錠・解錠したら良いのでしょうか。
オートロックは停電時に「手動で解錠できる」「直前の状態を保持する」の2つの種類があり、タイプによって対応方法が異なります。
マンションの共用エントランスや非常口は、手動で解錠できるタイプがほとんど。そのまま手動でドアを開閉できるため、緊急時の避難もスムーズにいくことでしょう。
なお停電時はドアを閉めても自動では施錠されないため、注意したいところ。元電源を切るなどの特別な操作を行っていない場合、復旧作業は必要なく、通電後はそのまま元の状態に戻ります。
各住戸玄関は「停電直前の状態を維持する」タイプが多い
停電したときの状態を維持し、そのまま操作ができなくなるオートロックもあります。つまり停電前にドアが閉まっていれば、通電後も「施錠されたまま」ということ。停電中の施錠・解錠は、外側からはキー、内側からはサムターン(玄関ドアの室内側にあるつまみ)で行うことになるでしょう。
もし施錠された状態で停電が起きると、家に入れなくなる可能性もあるため、カードキーなど非接触型の鍵が導入されているマンションに住んでいる方も、普段から非常用に予備の鍵を持ち歩くと安心です。
計画停電前には住民への周知とセキュリティ対策が必要!
マンションでは定期的に電気設備の点検を実施することもありますが、このとき建物全体の電気が止められるため、オートロックも作動しなくなる可能性があります。
計画停電が決まったときに必要な事前準備は、マンション住民への周知です。「停電する日時・時間帯」を掲示板・回覧板・プリントなどで住民全員に説明。通行者が戸惑わないよう、オートロックの扉の前には「停電中の施錠・解錠方法について」の注意書きを掲示しましょう。
なお停電中はオートロックだけでなく防犯カメラも動作しないため、マンション全体のセキュリティが低下する可能性があります。そのため管理会社などに相談のうえ、場合によっては警備員の配置なども検討しておきましょう。
停電復旧後は動作確認を行う
ほとんどのオートロックシステムは、通電が始まれば自動的に機能が復旧します。そのため、計画停電が終わった後の再設定操作などは特に必要ありません。
とはいえ復旧後は正常に施錠・解錠動作ができるかどうか、念のため確認しておきしょう。安全な動作が確認できれば、またいつも通り使用できます。
マンションが停電するとほかの共用部分にも影響が……
オートロックだけでなく、停電が起こるとマンションのそのほかの設備にも影響が生じます。以降では、各設備ごとに考えられる影響を整理してみました。
エレベーターは緊急停止する
エレベーターが動いている最中に停電すると、その場で緊急停止します。閉じ込められてしまった場合、非常用ボタンを押して外部との連絡を取り、助けを待ちましょう。
なお停電時には自動でバッテリー運転に切り替えるタイプもあり、その場合は最寄りの階まで低速で動いた後、ドアが自動で開きます。
機械式駐車場から車を出し入れできない
停電中は機械式駐車場も使えなくなります。
万が一機械式駐車場を動かしている最中に停電した場合、その時点で緊急停止。停電が終了しても自動復旧されないことが多いため、まずは保守業者や管理会社などに連絡しましょう。
廊下・階段の非常用照明が点灯する
マンションの廊下や階段には基本的にバッテリー内蔵の非常用照明が設置されており、停電後もある一定の時間は点灯します。しかし停電が長期化するとバッテリー切れで点灯しなくなるため、日頃から防災用の懐中電灯などを備えておくと安心です。
事前に停電時の解錠・施錠方法を確認しておこう!
一口にオートロックといっても、タイプによって停電時の対応はさまざまです。いざというときに焦らないよう、エントランスや玄関、非常口にあるオートロックシステムの施錠・解錠方法を確認しておきましょう。
なおカードキーなどの非接触型の鍵も使えなくなるため、念のため非常用の鍵も持ち歩いておくと安心です。