連載:これで解決!マンション暮らしのトラブル

「寒さ・乾燥」のトラブルを解決したい!

2024.02.01
「寒さ・乾燥」のトラブルを解決したい!

マンションでよくある困った問題をテーマに、その解決方法を紹介していくこの連載。今回は「寒さ・乾燥」が原因で起こるトラブルに注目したいと思います。

気温が下がる時期には、窓が結露してカビが繁殖しやすくなったり、水道管が凍結してしまったり、乾燥によって火災が発生しやすくなります。そこで今回は、冬に起こりやすい身の回りのトラブルとその対処法について紹介します。

寒さ・乾燥で起こるトラブル

冬場に起こりがちなトラブルを解説

それではまず、寒さ・乾燥によって起こり得るトラブルを見ていきましょう。

【トラブル1】結露

室内外の寒暖差が大きくなる冬はサッシの結露が起こりやすい

冬場は窓ガラスやサッシなどに結露が付きやすくなります。なぜなら、マンション内で暖房を使う機会が増え、室内外の寒暖差が大きくなる傾向があるからです。

暖かい空気のほうが冷たい空気より、より多くの水蒸気を取り込むことができます。室内の暖かい空気が外気で冷たくなった窓などに触れると気温が下がり、取り込めなくなった水蒸気が結露となるのです。

結露は壁や天井のカビにつながり、部屋を傷めたりアレルギーの原因となったりする恐れもあるので、予防・対策を行うべきでしょう。

【トラブル2】配管凍結

一般的にマンションは一戸建てやアパートなどと比べて、水道管の凍結が発生しにくいとされる建物です。しかし寒冷な地域であったり、記録的な寒波が到来したりしたときなどには、マンションにおいても水道管の凍結で、水が出なくなってしまう事例が見られます。

水道管が凍結しやすい気温の目安は氷点下4度以下と言われており、この水準まで冷え込む見通しであれば要注意。また屋外において、日が当たりにくかったり、風当たりが強かったりする場所に整備されている水道管は、とくに凍結の危険性が高い点も覚えておきましょう。

【トラブル3】乾燥

空気が乾燥する冬の時期は、肌や目が乾きやすくなるといった身体的なトラブルにつながるほか、ウイルス・菌が繁殖しやすく、感染症にかかるリスクも高まります。

また、ヒーターなどの暖房器具を使う時期でもありますが、乾燥した空気は燃え広がりやすいため、気をつけて使用する必要があります。

【トラブル4】除雪

大雪で除雪が必要になることも

あまり雪が降らない地域にお住まいであれば、マンションの大雪対策といっても、何をすればいいのかわからない方も多いでしょう。

記録的な大雪があった場合、マンションの入り口周辺や屋根のない駐車場など、人や車両の出入りが多い場所で、除雪作業を行わなければならないケースがあります。

また各住戸においても、ベランダに雪が積もる場合があります。軽微な積雪であれば自然に溶けるのを待つのが一般的ですが、極端な高さまで降り積もるのであれば、ベランダの耐荷重に問題が生じたり、室内への浸水につながったりする恐れがあるため、対策が必要です。

トラブルへの対処法

【対処法1】断熱シートなどの設置や適度な換気

「結露でカビが心配……」などがある人は、冷たい外気の影響をできるだけ少なくするために、窓に断熱シートを貼ったり、二重窓にしたりするなどの対策を行うとよいでしょう。

さらに注目したいのが室内の湿度。部屋のなかにある水蒸気量が多いと結露は生じやすくなります。適度に換気を行い、外の乾いた空気を室内に入れて、室内の湿った空気を外に排出することも重要です。

【対処法2】加湿器などの使用

乾燥のトラブルには加湿器が効果的

乾燥による身体的なトラブルや火災が不安な方は、加湿器の使用をおすすめします。加湿器を選ぶ際には、部屋の広さにあったものを選びましょう。

そのほかにもお湯を沸かしたり、洗濯物を部屋干しにしたりするだけでも、湿度をあげる効果はあります。ただし、過剰な加湿は前述した結露によって壁紙や天井、カーペットのカビにもつながるので要注意です。

【対処法3】管理会社への連絡

「水道管が凍結して、水が出ない!」というトラブルについては、凍結した配管が共用部分か専有部分かで対応が変わります。マンション全体で水が出にくいようであれば、共用部分の配管に異常がある可能性があるでしょう。その場合は自分でなんとかするのではなく、早急に管理会社へ連絡し、対応してもらいましょう。

自宅の専有部分にかかる配管の場合は、自分で対処しなければならない可能性があります。その場合には、外にある配管が凍っていると思われる箇所に、ぬるま湯をかけてゆっくりと溶かしていったり、ドヤイヤーで温めたりするなどの対策が必要な場合も。このとき、急いで温めようと熱湯をかけると、熱膨張で破裂する危険があるので要注意。不安な場合は管理会社を通して専門業者に依頼しましょう。

【対処法4】管理委託契約を確認

大雪対策にあたっては、まず管理会社との管理委託契約の確認が重要です。「除雪作業は管理会社の責任で行う」といった内容となっていれば、マンションの入り口周辺や屋根のない駐車場などは、管理会社に任せられるでしょう。

しかし、こうした取り決めが行われていなかったり、そもそも管理会社と契約せず、自主管理を行っていたりするマンションでは、住民同士で協力して除雪作業を行わなければならないケースもあります。天気予報などを事前にチェックして、大雪となる前に、掲示板や回覧板などを通して、住民へ除雪作業への協力を呼びかけるなどの対策を行いましょう。

一方で、ベランダの積雪は管理委託契約の内容に関わらず、原則として住民それぞれが対策を行う必要があります。除雪にあたってNGなのが、雪をベランダ下に落とす行為。2階以上の住民であれば階下の住民や通行人・車両などに、迷惑がかかったり危害を及ぼてしまったりする恐れがあります。

基本的には、積雪にお風呂の残り湯などをかけて溶かしていくほか、どうしても対策に急を要するのであれば、管理会社などに相談するなどの対応が望ましいでしょう。

以上、今回はマンション内の寒さ・乾燥に関するトラブルと、その対処法を紹介しました。

専有部分では居室内で適切な温度・湿度を保つこと、そして共用部分においては積雪や凍結被害のリスクを念頭に置き、トラブルのない冬を過ごしていきたいところです。

イラスト:カワグチマサミ

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この連載について

【連載】これで解決!マンション暮らしのトラブル

複数の世帯が生活を送る分譲マンションでは、共用スペースの使い方やペットの飼育、ゴミ捨て場における利用マナーなど、思いがけないトラブルに遭遇する可能性があります。そこで、本連載『これで解決! マンション暮らしのトラブル』では、マンションでよく起こる困った問題の解決方法をテーマごとにご紹介。トラブル発生の防止や、万が一起こってしまった際の対応マニュアルとしてもご活用ください!

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