マンションの子どもの転落事故を防ぐには? 原因と予防策を解説!
小さい子どもが高層マンションから転落する事故がたびたび発生しています。こうした子どもの転落事故は、いつ発生しても不思議ではありません。そのため、日頃からの対策が事故防止の鍵。
この記事では、子どもの転落事故を防ぐ方法について解説していきます。
子どもの転落事故が起きる原因とは?
まだ危険なことの判別が付きにくい子どもの転落事故を防ぐために、まずは事故に繋がる原因を知ることが大切です。
そのため、以降で考えられる原因を整理してみました。
【原因1】親の目が離れている
子どもの転落事故が発生する事例で多いのが、監督者が外出中だったり、別室にいて子どもから目を離しているケースです。ほんの一瞬目を離したすきに、ベランダの手すりや、施錠し忘れた窓から転落したりといった事故が発生しています。
家の中にいて子どもが見えないときや、子どもだけで留守番をさせる場合には特に戸締まりを気をつけなくてはいけません。「家の中だから」「すぐ戻るから」と、安心しきっていて目を離してしまうと、転落事故につながるケースがあるのです。
【原因2】足掛かりになるものが置いてある
ベランダに物干しや植木鉢などがあると、それが子供の足掛かりになってしまいます。さらにベランダに設置されることの多い腰壁(腰の高さ程度に張られた壁)には、内側に手すりがついているケースもあるでしょう。つまり、その手すりを足掛かりにしてしまう可能性もあり得るのです。
足掛かりになるようなもの置いてあると、子供でも簡単に柵をよじ登ることができてしまいます。
【原因3】子どもが「高所平気症」である
高層マンションの上階で育った子どもは、高所に慣れてしまい、恐怖を感じにくくなることもあります。子どもが興味を引かれるものがベランダの外に見え、抵抗することなくベランダから転落する事故へ繋がる可能性もあるのです。
高いところが平気ということ自体、悪いことではないため、極度に脅かす必要はあまりないかもしれません。しかし事故を防ぐためには、子どもから親が目を離さないことはもちろん、普段から高さに対する危機感を覚えられるようなジャングルジム遊びなどを取り入れていく工夫が求められるでしょう。
マンションで子どもの転落事故を防ぐには?
ここまで紹介した原因を踏まえたうえで、転落事故を防ぐ方法について紹介していきます。
【防止策1】できるだけ目の届く位置で子供を遊ばせておく
親の目が届く範囲で子供を遊ばせておけば、転落などの事故も防げるでしょう。特に子どもが成長していく過程で「もう大きくなったから放っておいても大丈夫」といった過信は避けるべきです。その一瞬が命取りになってしまう可能性もあります。
とはいえ、現実的に常に見ておくことは難しいことかもしれません。そのため、どうしても子供を一人にしてしまう際は、外に注意が向かないようにゲームや動画など室内でも夢中になれる遊びを提供できると良いかもしれません。
【防止策2】ベランダにものを置かない
原因としても紹介した通り、ベランダに足掛かりになるものが置いてあると、子供が柵へと登りやすくなります。足掛かりになりやすいエアコンの室外機や物干しなどは、柵から距離を離して設置するといった工夫が必要です。
さらに物干しを設置する場合にも、上から吊すタイプを選ぶなど、できる限り足場となる可能性があるものを避ける方が賢明です。プランターやテーブルなども、置きたくなるかもしれませんが、少なくとも転落の心配があるうちは安全のために置かない方が良いかもしれません。
【防止策3】部屋にいるときも窓を施錠しておく
子供の手が届かない位置に補助鍵を設置するなど、窓の施錠も工夫したいところ。窓枠の上部に両面テープなどで設置できる補助鍵であれば、1つ500円程度で、簡単に取付可能です。子供の転落防止だけでなく、外側から窓が開きにくくなることで、防犯対策にも一役買ってくれるでしょう。
また定番ですが、小さい子供がいる家庭ではベビーゲートの設置も有効。窓に突っ張って設置するタイプなら、窓の開け閉めにも影響も出ません。
転落しやすいベランダの構造も確認しておこう!
すでに入居している場合、マンションの構造を変えることはできないかもしれません。しかし、これから入居する方はあらかじめ転落事故が発生する可能性の低いマンションを選ぶこともできるでしょう。また、すでに入居されている方でも、転落事故の発生確率が高いとわかれば相応の対策を行うことも可能です。
ここでは、転落事故につながりやすいベランダ部分の構造について解説していきます。
【注意点1】ベランダの手すりは1.1m以上か
建築基準法第126条により、2階以上の階にあるベランダやバルコニーには1.1m以上の手すりや柵の設置が義務づけられています。この基準を満たしていない場合、安全性が損なわれる恐れがありますので、一度高さを確認してみましょう。
また、格子状の柵であれば幅や強度も確認しておきましょう。格子の間隔が広く、子どもが頭を出せてしまうと、無理して抜けようとして転落につながってしまう恐れもあります。
【注意点2】逆梁の高さと手すりとの距離に注意
マンションの構造で、ベランダの手すりの下に張り出した逆梁に高さがない場合も注意が必要です。65cm以下の逆梁だと、子供が足掛かりとして上りやすい高さ。子どもが上りにくい高さの目安は、80cm以上と言われています。
そもそも足掛かりになりかねない低い逆梁のあるベランダや、逆梁から手すりまでの距離が近い物件は避けた方が無難かもしれません。
万が一に備えた転落事故防止策を!
転落事故は親の外出時にベランダに置いてあるものに上ったり、親の目が離れたすきに転落したりするケースが多いようです。
転落事故を防ぐためにも、補助鍵やベビーゲートの設置が有効。またこれからマンションへの入居を考えている方は、ベランダなど転落の可能性がある箇所の高さに注意して物件を選ぶと良いでしょう。