暮らしの悩み

マンションの防音工事の種類は? 費用と注意点を解説

2024.07.01
マンションの防音工事の種類は? 費用と注意点を解説

マンションなどの集合住宅で生活をしていて、生活音が気になった経験はありませんか? 実は、マンションでも防音工事は可能です。

工事を検討するために必要な音に関する基礎知識から壁や床への対策、設置するだけの気軽な商品まで幅広く紹介します。

マンションの音の伝わり方

マンションで発生する音には、大きく分けて2種類の伝わり方があります。それぞれの特徴を押さえておくと、具体的な対策を講じやすくなります。

空気伝搬音

人の話し声やテレビの音が空気伝搬音に該当

空気中に放たれたあと、空気を振動させて伝わる音が空気伝搬音です。人の話し声やテレビの音など、壁や窓などを通り抜けて伝達される音が該当します。

空気伝搬音は空気を介して伝達しているため、音の発生源との距離を離したり、壁などの遮蔽物により音の減少が可能です。マンションの場合、コンクリートで作られた壁によって大体の空気伝搬音は遮断されます。

しかし、度を超した大声や、壁に近い位置に設置されたテレビからの音は漏れてしまう可能性が高いため対策が必要です。

固体伝搬音

固体伝搬音は衝撃によって発生する

固体伝搬音とは、衝撃により発生した振動が床などを通り、伝搬した先で空気中に放たれた音です。足音やドアの開閉音、物の落下音、電化製品の稼働音など、衝撃により発生する音が該当します。

空気伝搬音は音源と距離を取ると音が小さくなりますが、固体伝搬音は距離を取っても音の減少が少なく、音が遠くまで伝わりやすい性質です。マンションの場合、音源から発生した振動が床や壁、天井を通り別の住戸の空気中に音として放出されます。

マンションの防音工事の種類

【工事の種類1】部分的な防音工事

床、壁、窓など気になる箇所を部分的に防音工事する

防音工事と聞くと、大がかりな工事を想像する人も多いのではないでしょうか。自宅での楽器演奏のために高性能な防音室を設置するイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実は、床、壁、窓など、部分的な防音工事も可能です。

また、マンションなどの集合住宅での音の悩みの大半は生活音由来だといわれています。そのため、大規模な防音工事はオーバースペックになる可能性も。上階の足音が気になるようであれば天井の防音工事、外部からの騒音は窓や換気口に防音対策を施し侵入を防ぐなど、部分的な工事でも対策ができます。

騒音源の方向や自分自身が音源となる場合など、状況を考慮して適切な工事を選択しましょう。

【工事の種類2】防音室の設置

マンションなどの集合住宅でも防音室の設置は可能です。防音室を室内に設置すると、床や天井が二重構造になり遮音性が高まります。直接住戸の壁や床に音の振動が伝わらないため、住戸外への音漏れに効果的です。

スペースを最大限に利用した防音効果が期待できますが、工期が長く工事内容も大規模になりやすい点に注意しましょう。費用も高額になるため、楽器の演奏がしたいなど大きな音を出したい明確な理由がある人におすすめです。

【工事の種類3】ユニット型防音室の設置

管理規約で工事が禁じられている場合はユニット型防音室という手段もある

マンションの管理規約などで居室を防音室に作り替える工事が禁止されている人や、あまりコストをかけられない人におすすめしたいのが、ユニット型防音室です。大手楽器メーカーから発売されている、高い防音性能をもった小部屋を室内に設置する方法です。

ユニット型防音室は、低コストかつ短工期で設置できるのが大きなメリット。防音室の広さや防音性能などによって販売価格に差はありますが、通常の防音室よりも安価な場合が多いです。

防音工事を実施する前に決めること

防音工事を実施する前に考えておきたいのは、工事をする目的です。最初に説明したように音には種類があり、音の性質によって適切な防音方法も異なります。

せっかく費用を掛けて防音工事をしても、防ぎたい音に対して適切なアプローチができていなければ音は防げません。音を防ぐという目的が達成されなければ、防音工事の意味がなくなってしまいます。

また、工事の種類によって費用も異なるため、目的の明確化は無駄なコストの削減にも有効です。

工事に踏み切る前に、なんのために防音工事をするのかを明確にしておきましょう。

マンション防音工事の費用

工事にかかる費用は内容によっておおまかに以下の金額が目安です。

マンション防音工事の費用

工事は効果が弱い簡易的なものから、高い防音効果を得られるものまでピンキリです。同じ箇所の工事であっても、求める防音の質の高さや部屋の広さなどによって、費用に大きな差が出る点には注意してください。

マンションで防音工事するときの注意点

防音工事の種類によっては、マンションの管理規約に抵触する可能性があるため注意が必要です。

マンションには、居住者による加工がある程度許されている「専有部分」と、加工ができない「共有部分」があります。専有部分で完結する工事であっても、重い建材を使用した防音室など、建物の構造に影響する可能性があるのであれば事前に管理組合と相談が必要です。

また、マンション床の耐荷重では対応できない可能性があり、1階の住戸には施工できるが、2階以上だと認められない場合もあります。

管理規約を無視した防音工事は住民トラブルに発展する恐れがあるため、分譲マンションであっても、工事実施前には必ず管理規約を確認しましょう。

まずは防音工事する目的を明確化させる

ひとくくりにマンションの防音工事といっても、床や壁など部分的な施工と防音室の設置では規模も費用も差があります。防ぎたい音の種類や目的によって適切な防音工事が異なるため、事前に工事の目的を明確化しておきましょう。

また、マンションの管理規約によっては、特定の防音工事を実施できない可能性があります。工事を実施する前に、必ず管理規約を確認しましょう。

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