暮らしの悩み

マンションのリノベーション費用の相場は? 予算内に抑えるコツも解説

2020.05.17
マンションのリノベーション費用の相場は? 予算内に抑えるコツも解説

「広々としたキッチンが欲しい」「スタイリッシュなリビングにしたい」といった理想の住まいを実現できるリノベーションですが、肝心の費用についてはよく分かっていない方も多いのではないでしょうか?

相場を知らないままあれもこれもとオーダーしていると、いつの間にか予算オーバーなんてことにもなりかねません。そこでこの記事では、リノベーションの相場や費用の内訳、予算内に抑えるコツについて解説していきます。

相場は1㎡あたり10~20万円ほど

相場

リノベーションの相場は建物の種類や内容によってもちろん変わるものの、1㎡あたり10~20万円程度が一般的です。

ただ、一口にリノベーションといっても壁や床材の張り替えだけで済む場合もあれば、キッチンや水回りの設備交換をともなったり、あるいは壁や床を全部解体して間取りごと作り替えたりするケースもあるでしょう。

例えば、子どもの結婚を機に3LDK(70㎡)の間取りを1LDKに変え、広々としたリビングへと作り替える場合には、およそ700万円程度かかります。リノベーションの規模が大きくなればもちろん費用も高くなりますし、デザインや機能にこだわるならさらに高額になることが予想されます。

また、リノベーション会社か工務店のどちらに注文するのかでも料金は変わってきます。2LDK(60㎡)のリノベーションを行う場合、地元の工務店では600万円程度から行えるのに対し、大手リノベーション会社では900万円以上となることもあります。

なお、相場はあくまでも目安と考え、正確な金額を知りたいという方は業者に見積もりをお願いしましょう。

リノベーション費用の内訳は?

予算を考えるうえでも、費用の内訳が分かればコストを抑えられるポイントも見えてくるかもしれません。

そこで以降では、リノベーションにかかる各費用の項目について解説していきます。

【基本工事費】

施工会社によって異なるものの基本工事費には、床下の土台や壁と天井の下地など住まいの骨組みを作っていく木工事や、配水・給水管工事、さらには電気配線や内装工事などの費用が含まれます。

この基本工事費については、リノベーションの際に必ずかかる費用と考えておきましょう。

【資材・設備費】

フローリングや窓、キッチンやトイレ、洗面化粧台などの資材や設備にかかる費用です。どのような資材や設備を選ぶかによってリノベーションの費用は大きく変わるため、ここがコストの抑えどころともいえます。

【組立施工費】

システムキッチンなど、住宅設備の組み立てにかかる費用です。「システムキッチンならDIYで費用を抑えられるのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、配水管やガス管の工事などを素人が行うのは簡単ではないため、専門家に任せた方が安心です。

【解体・撤去・処分費用】

もともと家にあった家具や床板など、工事の過程でいらなくなった資材の処分にかかる費用となります。高層階の住戸など、資材の搬入や搬出のハードルが高くなる場合は費用も高額になる傾向があるようです。

【設計費】

リノベーションのプランニングやデザイン、設計図の作成のほか、設計監理(図面通りに工事が進んでいるかどうか確認する作業)などにかかる費用のことです。設計・監理業務の代金を設計事務所に、施工費を施工会社にというようにリノベーション費用の支払先が分かれるケースもあります。

【諸経費】

諸経費にはリノベーションで必要となる書類作成や現場管理、また交通費などの費用が含まれます。含まれる範囲が広くなるため、見積もりの際は何が諸経費に当たるのかを事前に聞いておくと、金銭面でのトラブルを避けられるかもしれません。

まとまった資金がない場合はローンも検討しよう

「予算が少しオーバーしそう」という方は、ローンを検討してみるのも選択肢のひとつです。次からはリノベーションで使える2種類のローンについて紹介していきます。

利息は低いがハードルの高い「有担保ローン」

有担保ローンとはその名の通り担保が必要なローンです。代表的なものとしては融資対象物件を担保とする、住宅ローンなどがあげられます。

金利が1〜2%程度と低く、返済期間も最長で35年。借入額も数千万単位と、比較的高額な融資を受けることが可能です。また、リノベーションを前提に中古マンションを購入する場合、リノベーション費用も住宅ローンに組み入れることができます。

一方で、住戸の審査や、建物や土地を担保とするために必要な抵当権の設定など融資完了までに時間や初期費用がかかってしまうデメリットも。なお、有担保ローンのなかには住宅のリフォームに特化したローンなども存在します。

融資は早いが利息の高い「無担保ローン」

無担保ローンでは土地や建物などの担保を必要とせず、個人の信用にもとづいてお金を借りることができます。

担保を必要としないために抵当権の設定といった手間もかからず、スピーディーに融資を受けられるというメリットがあります。ただし、住宅ローンなどの有担保ローンと比べると金利が高く、返済期間も短め。借りられる額も比較的少額です。少額の融資を手早く受け取りたいという方に向いています。

リノベーション費用を抑えるコツ

リノベーションの費用は、工事箇所を限定したり地元工務店や作業員に直接頼んだりといった一工夫で安く抑えることも可能です。具体的な方法について、以降で見ていきましょう。

【コツ1】地元工務店を利用する

リノベーションの費用は大手の施工会社よりも、地元の工務店の方が安く済む場合もあります。

大手企業の場合、会社の運営費、広告宣伝費や専門家によるデザイン・プランニング費などで、どうしてもコストが高くなってしまいがち。対して地元の工務店は運営費や宣伝費にそれほど多くの予算を割いていないため、比較的コストが低い傾向にあります。

ただし、専門のデザイナーがいない工務店もなかにはあるので、満足のいくデザインとならないケースも考えられます。フルリノベーションのように住戸全体を工事する予定なら、地元工務店よりも大手に依頼した方がデザイン面では安心。さらに大手であれば、アフターメンテナンスも充実しています。

【コツ2】家具や建具は既製品を活用する

自分の好みを反映したり、部屋のサイズにぴったり合わせたオーダーメイドの家具や建具は魅力的ですが、いちから作るとなると割高になってしまいます。オーダーメイドの家具は実物を見ない限りは仕上がりのイメージがわかりづらいこともあるでしょう。

その点、既製品ならオーダーメイドよりも費用を抑えられますし、設計と同時に家具か決められれば、家具の寸法に合わせたリノベーションも可能です。

また棚などちょっとした家具なら、個人で作ることもできます。手作りできるのであれば工具代や材料費だけで済むうえ、作り上げた満足感も得られます。時間に余裕のある方は、挑戦してみてもいいかもしれません。

【コツ3】資材の種類を変えてみる

壁リノベーション

使用する資材を変えてみるのもコスト削減のテクニックのひとつです。例えば、一枚板を床材に加工した「無垢フローリング」だとコストもかかりますが、「複合フローリング」と呼ばれるいくつかの木材を重ねて作った床材なら費用を抑えることもできます。

また、リノベーションに関心があるものの「高額で手を出しにくい」という方は、低額で家の雰囲気を変えることができる内壁のみのリノベーションなどもおすすめ。壁紙を貼るのではなく、塗料を塗ることで、低コストで部屋の印象を変えることができるサービスも登場しています。

【コツ4】国や自治体の補助金・減税制度を利用する

リノベーションの費用を軽減するためには、自治体の補助金や減税制度を利用するといった方法もあげられます。

各自治体の補助金制度の内容は「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和元年度版)」から検索できます。このサイトでは市町村毎の補助金制度の内容を調べられるほか、省エネルギー化やバリアフリー化など、目的別の補助金制度の有無も検索できます。

また、減税制度については主に3つあります。1つは住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除する「住宅ローン減税」。そして2つ目は5年以上の住宅ローンを組んだ場合に活用できる「ローン型減税」です。この2つは、リノベーション費用として住宅ローンを利用することが前提となります。一方で3つ目の「投資型減税」は、ローンを組まなくても申請可能。その年の工事費用の10%が所得税から控除されます。

減税制度の表組

なお、制度の適用には床面積50㎡以上や工事費100万円以上、そのほか耐震基準などの指定された条件を満たす必要があります。

これらの減税制度が適用されるのはいずれも2021年12月31日までなので、制度の利用を検討している方は早めに申請しましょう。

【コツ5】リノベーションする範囲に優先順位をつけよう

当たり前のことですが、工事範囲が広いほど、解体費用も資材費なども増えてトータルコストがどんどん高くなってしまいます。

そこでリノベーション費用を減らすために、思い切って工事の規模を小さくするのもひとつの手。「キッチンだけはどうしても広くしたい」「リビングはそのままでもいいかな」など、リノベーションする範囲に優先順位をつけて、どこまでなら妥協できるかをはっきりさせておきましょう。

予算内で希望の住まいができるように工夫しよう

今回紹介した、1㎡あたり10~20万円程度というリノベーションの相場はあくまでも目安です。金額は建物の種類や使用素材などによって変わるため、正確な金額を知りたい方は施工会社に見積もりを取って確認しましょう。

使う素材を見直してみたり、工事の範囲を絞ったりすることも視野にいれながら、何が目的のリノベーションなのか家族でよく相談して、予算内でできるだけ希望の住まいができるように工夫してみてはいかがでしょうか。

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