マンションの室内に湿気がこもる……原因と対策を解説
マンションでの生活において、湿気は大敵。湿気が強まる梅雨から夏にかけては、湿気対策が特に重要となる時期です。
今回は、マンションの室内に湿気がこもってしまう原因と対策について解説していきます。
室内に湿気がこもる原因
【1】マンションの通気性の低さ
マンションは隣室と壁が接しているため、住戸のなかで窓を設置できる場所が限られています。
窓の数が少ないため、マンションは戸建と比べて気密性が高いといわれています。機密性が高いと、部屋の室温を維持しやすい点がメリットです。
一方、窓の数が少ないと、全ての窓を開けても室内の空気が循環しづらく、通気性が低くなるというデメリットもあります。通気性が低いと部屋に湿気が溜まりがち。特に、押し入れやキッチンの下の収納スペースなどは注意が必要です。
【2】マンションの建築構造
マンションに湿気がこもりやすいのは、構造にも原因があります。
戸建に多い木造建築の場合、木材が空気中の湿気を吸収するため、室内に湿気がこもりづらいです。
一方、マンションの多くはコンクリート構造です。コンクリートは木材と比較して、空気中の湿度を調整する「調湿性」が低く、木造建築に比べて湿気がこもりやすくなっています。
鉄筋コンクリート構造のマンションの場合、コンクリート内の水分は10年ほどかけて湿気として空気中に放出されます。最初の3年間はコンクリートが放出する水分の量が多いため、築浅のマンションほど湿気がこもりやすい傾向です。
また、1階の住戸はコンクリートから放出される水分の影響を受けやすいといわれています。1階は防犯上の観点から窓を開けづらいこともあり、他の階と比べても湿気がこもりがちです。
【3】マンションの立地
マンションの立地によっても湿気のこもりやすさは変わります。
例えば近くに河川がある場合、昼間に日が差すなどの要因で水が蒸発すると周辺の湿度が急激に上昇します。マンション付近に河川がある場合は、室内の湿度も上昇する可能性が高いといえるでしょう。
また、付近にマンションよりも大きい建築物がある場合は、日光が遮られてしまうことも。日当たりが悪いと日照時間が十分に得られず、湿気がたまりやすくなってしまいます。
【4】部屋の位置
同じマンションでも、部屋の位置によって湿気のこもりやすさに差が出ます。
湿気のこもりやすさに大きく影響するのは日当たりです。北側の部屋は日当たりが悪いため、部屋の湿度が下がりづらい傾向にあります。北側の部屋を物置にしている場合などは、換気を心がけることが必要です。
室内の湿気対策をするには
【対策1】換気する
湿気への最大の対処方法は「換気」です。1日数回、可能であれば1時間に1回行いたいところ。換気は1回につき10分程度行いましょう。
換気を効果的にするコツは、「2箇所以上の窓をあける」です。「空気の通り道」を作ることが重要なため、ただ窓を1箇所開けるだけでは、あまり換気に効果はありません。室内のドアも開けたり、換気扇を回したりするとより効果的です。空気の通りづらい場所は、サーキュレーターなどを使っても良いでしょう。
なお、窓を開ける際は10センチ程度開いていれば問題なく、全開にする必要はありません。
【対策2】物を減らす
家具を多く設置したり、室内にたくさん物を置いたりしていると、室内の空気の循環が悪くなります。不要なものはなるべく室内に置かないようにすることが望ましいでしょう。また、空気の循環を妨げないために、窓際に物を置かないなど、配置を変えるだけでも効果があります。
外に面している壁際に物を置くのはなるべく避けたいところ。外側の壁は、外気と室内の温度差の影響を受けやすく、非常に湿気がこもりやすい箇所です。壁の湿気が外に出やすいように、家具や物はなるべく離しておきましょう。
【対策3】観葉植物を置く
観葉植物を室内に置くことも湿気対策になります。一部の観葉植物は空気中の水分を吸収するため、部屋に湿気がこもりにくくなる効果が期待できるのです。
特に、イングリッシュアイビーやヤシ、サンスベリアやオリヅルランなどは室内のカビの胞子を除去するといわれるため、洗面所やキッチンに置くと良いでしょう。
ただし、観葉植物は動物にとって有毒な場合があるため、ペットを飼っているなら注意が必要です。
「空気の通り道」を意識して湿気対策を
湿気のこもりやすさには建築構造や立地など、さまざまな要因が影響しますが、いずれも「通気性が悪い」ことが原因です。窓が少ない部屋や、日当たりの良くない部屋は、どうしても湿度が高くなってしまいがち。
湿気対策で最も効果的なのは、こまめな換気です。窓を2つ以上開けたり換気扇やサーキュレーターを併用したりして、空気の通り道を作るように心がけましょう。また、室内の物を減らしたり配置を買えたりすれば、室内で空気が循環するようになり、湿気を外に追い出せます。
自分の生活スタイルやマンションの立地に合わせた対策を取るようにしたいですね。