マンションのエントランスの鍵をなくした! どうすればいい?
防犯性を高めるため、エントランスでオートロックシステムを導入するマンションは増えています。ただ、各住戸の鍵で開錠できる「逆マスターシステム」を採用している場合、複数の鍵を持つ必要はないものの、なくしてしまうと全住戸の鍵を交換する可能性があるのはご存じでしょうか。
今回はそんなエントランスの鍵をなくしてしまった場合の対応について、紹介していきたいと思います。
各住戸の鍵で共用のエントランスの解錠ができるのはなぜ?
新築マンションのエントランスに採用されることの多いオートロックシステム。セキュリティの向上にもつながるため、人気の設備です。基本的には各住戸の鍵であれば、どの鍵でも開錠できるように「逆マスターシステム」が導入されています。
そして「逆マスターシステム」が導入されたエントランスを解錠するための鍵を、「逆マスターキー」と呼びます。逆マスターキーとは、その名のとおり1つの鍵で複数の扉を解錠できるマスターキーとは逆の機能を持ちます。つまり複数の鍵で、1つの扉を開けることができる機能です。
本来、各住戸の鍵は別々なはずですが、共用のエントランスだけは各住戸の鍵でも解錠できるのはこの「逆マスターシステム」が導入されているため。住人が住戸・エントランスと分けて複数の鍵を持つ必要がないため、利便性に優れています。
逆マスターキーをなくしても業者に依頼して勝手に解錠はできない
なお、逆マスターキーを万が一なくしてしまっても、業者を呼んで開けてもらうことはできません。エントランスは共有部分にあたるため、住人の依頼でも、業者が勝手に開けることはできないのです。
エントランスの鍵は住人というよりも、大家や管理会社に所有権があります。そのため、もし業者に解錠を依頼する場合でも、大家や管理会社などの所有者が立ち会う必要があるのです。
エントランスの鍵を紛失した場合の対処法
では改めて、エントランスの鍵を紛失した場合の対応をまとめてみました。
【対処法1】暗証番号で鍵を開けられるケースもある
エントランスの種類によっては、管理専用に暗証番号が設定されているタイプもあります。そのため、管理会社に相談することで鍵を使わなくとも暗証番号で開錠できる可能性もあるでしょう。
ただ、暗唱番号が漏えいすると鍵がなくとも自由にマンション内に入れるようになるため、セキュリティの関係上、住人には教えられないことがほとんどです。
【対処法2】ほかの住人と一緒に通過する
建物内に家族か仲の良い知り合いがいる場合、電話やSNSなどで連絡して、エントランスを解錠してもらうこともできるかもしれません。
もしくは知り合いでなくとも、ほかの住人がエントランスを通過するときに事情を説明して一緒に入る方法もあります。
【対処法3】大家か管理会社に連絡する
対応時間内であれば、大家か管理会社に連絡すると、開けてくれることもあります。このとき、出張費や対応諸経費として料金がかかることもあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。もし連絡先を登録していない場合、エントランス付近に連絡先の電話番号が書かれた看板がないか探してみてください。
なお注意点として、対応してくれるのはエントランスだけの場合があります。その場合、自室の鍵は、業者に依頼して開けてもらう必要があるでしょう。
【対処法4】最寄りの警察署や交番にも念のため確認する
落とし物として届いていないか、最寄りの警察署や交番に念のため連絡してみましょう。もし届いていない場合は遺失届を出しておくと、後で鍵が届けられたときに連絡してもらえる可能性があります。
なお、なくしたのではなく盗まれたことが心配なら、自室の鍵は念のために交換しておいたほうが良いでしょう。
【対処法5】マンションの管理組合や自治会にも連絡しておく
エントランスの鍵は防犯に大きく関わってきます。そのため鍵を交換するかどうかなどの話し合いが行われる可能性もあるため、自治会や管理組合などにも念のため連絡しておきましょう。
鍵を紛失したら交換費用を負担する可能性もある!?
エントランスの鍵をなくした場合、セキュリティの観点から鍵を交換することもあります。この費用は紛失した住人が負担する可能性もあるため、マンションの契約内容や管理規約などで定められていないか、前もって確認しておきましょう。
全部屋の鍵交換が必要なケースも
契約内容によっては、前述したように各住戸の鍵とエントランスの鍵が紐付いていることもあるため、全住戸の鍵を交換する可能性もあります。
ただ賃貸マンションだと、契約書の「鍵紛失時の費用負担」に関する記載の金額だけ負担することが多いようです。とはいえ契約内容によっては、高額な費用を負担する可能性もないとは言い切れません。
前述したように逆マスターキーの場合は、自分の住戸の鍵だけを持つのではなく「建物全体の鍵を持つ」という意識で、鍵の保管には特に気をつけたほうが良いでしょう。
エントランスの鍵の管理は「全住戸の鍵」という認識で
共用エントランスの鍵は、大家や管理会社の所有権になります。そのため業者に依頼して開錠を行う場合でも、立ち会いが必要となるでしょう。そのためエントランスの鍵をなくしてしまった場合は、まず大家や管理会社に連絡し、指示を仰ぐようにしましょう。
なお「逆マスターシステム」を導入している場合は、エントランスだけでなく全住戸の鍵を交換しなければならないケースもあります。そのためエントランスの鍵の管理は、「全住戸の鍵」という意識で慎重に管理しましょう。