暮らしの悩み

マンションでできる防音DIY! 必要なアイテムと予備知識を紹介

2024.05.01
マンションでできる防音DIY! 必要なアイテムと予備知識を紹介

マンションなどの集合住宅で生活をしていると、足音や人の話し声、生活家電の動作音など、些細な生活音が気になる場合がありますよね。集合住宅では、ライフスタイルが異なる人も暮らしています。騒音トラブルを避けるためにもまずはできる範囲で防音対策をしてみませんか? 対策したい音によって選ぶアイテムも変わるため、防音に対する予備知識も紹介します。

マンションで防音DIYするための予備知識

防ぎたい音の種類で対策が違う

一言で「防音」といっても、防ぎたい音の種類によって遮音、吸音、防振と対応が異なります。それぞれの特徴をみていきましょう。

【防音の種類1】遮音

遮音とは、音を跳ね返し、外に漏れないようにする方法です。ただし、遮音性を高めすぎると室内で音が跳ね返り、必要以上に反響してしまい、声が聞き取りづらくなる場合もあるため注意が必要です。

室内の音を外に漏らさずに反響も防ぐには、以下で紹介する「吸音材」と組み合わせるのがおすすめです。

【防音の種類2】吸音

吸音とは、音を吸収して小さくする方法で、室内での反響が軽減できます。空気を介して伝わる音に有効な防音対策であるため、話し声やテレビの音などに効果的です。しかし、吸音をしすぎると反響音のない不自然な空間になってしまう可能性も。

上記で紹介した「遮音」との組み合わせでより防音効果が高まります。

【防音の種類3】防振

防振は、建物の床や壁に加えられた衝撃が音となって響いてしまうケースへの対策になります。

建物の床や壁に衝撃が加えられた際に防振材がクッションとなり、振動の伝達を防いでくれるという仕組みです。そのため、軽い足音や物が落ちるときに発生する音などの「固体伝搬音」に効果的。防振は個体の振動を防ぐ方法なので、話し声や楽器の演奏音など、空気を介して伝わる音への効果は期待できません。

マンションでできる防音DIY

マンション全体に防音対策を施すには、費用も時間もかかってしまいますよね。そこで、住民が自分で対策する方法をご紹介します。

【方法1】防音マットを敷く

階下に伝わる床衝撃音を抑える効果を持つ

防音マットは、人の歩く振動音などの階下に響きやすい「軽量衝撃音」を軽減するアイテムです。商品によっては足音マットとも呼ばれます。軽量衝撃音は床を通って階下に伝わる床衝撃音の一つで、スプーンの落下音やスリッパで歩いたときの足音のように、比較的軽めで高音域の音です。

一方、人が飛び跳ねたり重い物を落としたときの音は「重量衝撃音」といいます。重量衝撃音の遮音性能は床の材質の重さと床のコンクリートスラブの厚みに比例するため、マンション自体の構造上防ぎにくく、防音マットだけで完全な防音をするのは難しいといわれています。

【方法2】防音パネルを貼る

遮音と吸音の働きを併せ持つ

防音パネルは、遮音と吸音の働きをもった板状のパネルです。

個人宅向け用の製品であれば、10~20デシベル程度の防音効果を期待できます。これは漏れ聞こえてくる話し声が気にならなくなる程度の効果ですが、パネル1枚あたりが安価で導入しやすいところが魅力といえるでしょう。粘着テープで貼るだけで済む、設置が簡単な製品もあります。

ただ、粘着タイプの防音パネルは壁紙を傷める可能性があるため、注意が必要です。具体的な設置方法は製品によって異なりますが、壁に貼るだけでなく置くだけ、デスクの上に取り付けるだけで効果のある製品などもあります。

【方法3】防音壁を設置する

スポンジ状の素材に吸音効果を持つ

防音壁は音の遮断を目的とした壁で、室内の騒音レベルを軽減できます。「MGボード」と呼ばれるような吸音効果のあるスポンジ状の素材を使用し、自作も可能です。

住戸内のすべての壁に設置したほうが防音効果は高まりますが、まずは隣の住戸と接している壁の対策から始めてみてはいかがでしょうか。壁を傷つけたくない場合は、釘などを使用しないはめ込み式の製品がおすすめです。

【方法4】防音カーテンを利用する

ベロア素材などの音を吸収する効果が高い生地を使用

防音カーテンは、防音のための特殊な加工が施された生地を使用したカーテンです。防音カーテンには「遮音カーテン」と「吸音カーテン」の2種類が存在します。

遮音カーテンは、コーティングやラミネート加工が施されている生地で、音をはね返し遮音します。室内の音を遮音すると室内で反響してしまうため外から入ってくる音を防ぐ目的での使用が適しています。

対して吸音カーテンは生地に音を吸収させるため、室内で発生する音に対しての防音に効果的です。ベロア素材などの、音を吸収する効果が高い生地で音の反響を和らげます。

防音カーテンは、女性の話し声、普通に視聴をしているテレビの音、子犬の鳴き声などの中~高音域の音の防音に効果的です。

室内の音は空気を介して窓やドアの隙間から外に漏れていきます。そのため、窓よりも大きなカーテンを設置し、押しピンやマジックテープを使って隙間をなくして住戸内の密閉度を高めるとより高い防音効果を発揮します。

マンションで防音DIYをするときの注意点

【注意点1】隙間を作らないようにする

防音対策として吸音パネルや防音壁の設置は有効ですが、隙間を作らないように気をつけましょう。隙間があるとそこから音が漏れてしまい、防音効果を発揮できません。

DIYで防音対策を実施する際には、音が漏れる隙間を作らないためにも壁の幅やサイズの確認が大切です。

【注意点2】事前に管理規約を確認する

集合住宅では住人間のトラブルを防止するために管理規約が設けられており、大規模なDIYや防音工事は規約で禁止または制限されている場合があります。

工事中に騒音が生じたり、工事材料の搬入で共用部分を利用する際に近隣の住民に迷惑を掛ける可能性も考えられます。管理規約を無視した防音工事は住民トラブルに発展する恐れがあるため、まずは個人で行う防音DIYが管理規約に反しないか確認しましょう。

大規模なDIYは実施前に問い合わせをしておくと安心

マンションでも防音のためのDIYは有効ですが、マンションの構造上すべての騒音を完璧に防ぐのは難しいといえます。

防音マットやパネル、カーテンなどで誰でも簡単に防音DIYができます。騒音の種類によって対策の方法が違うため、確認しておきましょう。

また、大規模なDIYを行う場合はマンションの管理規約に注意が必要です。不安な場合は、管理組合や管理会社に問い合わせておくと安心です。

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