理事・管理

管理費は値上がりする場合がある! 理由や管理費の削減方法を解説

2023.01.31
管理費は値上がりする場合がある! 理由や管理費の削減方法を解説

管理費は、マンションの区分所有者が毎月支払わなければならない費用です。月々支払う金額は、基本的には一定ですが、場合によっては値上がりする可能性もあります。

どのような場合に値上がりするのかや、管理費の削減に効果的な方法について学んでいきましょう。

マンションの管理費は値上がりする場合がある

年月の経過によって修繕積立金が増額していくケースは多い

マンションの区分所有者になると、毎月修繕積立金と管理費の支払いが発生します。

修繕積立金はおよそ十数年の周期で実施が必要となる大規模修繕に、管理費は共用部分の清掃や設備点検など、日常の管理業務を管理会社へ委託するために使われる費用です。

2018年に国土交通省が実施した調査では、1戸当たりの修繕積立金は月額1万1243円、管理費は月額1万5956円が平均とされています。

マンションは新築時から年月を追うごとに徐々に劣化していくものです。そのため、時間が経過するにつれて、より規模の大きな修繕が必要となり、修繕積立金が増額していくというケースはよく見られます。

一方の管理費は、基本的には維持・管理のための作業内容が変わらないため、金額は変動しません。ただし、状況によっては、月々の管理費が値上がりする場合もあるので注意が必要です。

マンション管理費が値上がりする理由の例

【例1】維持・管理の作業内容が変更した

維持・管理に必要となる作業の内容に応じて、管理費の金額は変動します。

例えば、マンションで新しく植栽を始める場合に植物の手入れを外部に委託するのであれば、当然その作業分、管理費用が増額するでしょう。

新しい設備の追加を考える際には、管理費が増額する場合があるという点も含めて検討しなければなりません。

【例2】滞納者がいる

滞納者がいると不足する金額を他の人が補わなければならなくなる場合も

管理費は、管理会社への委託費用として必要な金額を、マンションの区分所有者全員で出し合って支払います。そのため、管理費を滞納する人がいる場合は、不足する滞納者分の金額を他の区分所有者が余分に支払わなければならなくなるでしょう。

国土交通省が実施した「平成30年度マンション総合調査」では、マンション内に管理費や修繕積立金の滞納者がいるマンションは、全体の24.8%にのぼるという結果が出ています。

【例3】駐車場の利用者が減った

駐車場の収益低下が管理費の値上がりの一因となる場合も

駐車場があるマンション管理組合では、駐車場使用料による収益を管理費の支払いに充てているところもあります。

駐車場の利用者が減ってしまうと、収益によって相殺される金額が少なくなるので、月々の管理費を値上げする必要がでてくるでしょう。

近年では、カーシェアリングの普及などの理由で、自動車を所有する人が減少傾向にあります。駐車場の運営を行っているマンションは将来的に管理費が値上がりするリスクがあるかもしれません。

マンション管理費を削減するために見直す3つのポイント

管理費は管理組合の取り組みによって、削減できる場合もあります。

ここからは、管理費の削減を行うために見直すべきポイントを3つ紹介していくので、お住まいのマンションの管理費が高いと感じている人は参考にしてみてください。

【1】管理会社を見直す

マンションの敷地面積や設備などを考慮したうえで、現在支払っている管理費用が相場価格よりも高額な場合には、管理会社と交渉してみると値下げの余地があるかもしれません。ただし、管理費用が適正な金額であったり、高くてもそれ相応の理由があったりするのであれば、値下げは難しいでしょう。

費用に対するサービス内容に不満があるのなら、別の管理会社へ契約変更するのも選択肢の1つです。3〜4社程度の管理会社に見積もりを依頼して、現在の管理会社と比較検討してみると、今よりも安価な業者が見つかる場合があります。

【2】無駄な項目を外してコストカットする

管理費用が相場よりも高額な場合は、管理内容に余計な項目が含まれているかもしれず、無駄を取り除けばコストカットできる可能性があります。

住民の目線から考えて不要だと感じる管理作業は、管理対象の項目から外して問題無い場合もあるので、削減を検討してみましょう。

ただし、コスト削減を目指すばかりに、エレベーターや電気機器の点検・メンテナンスの費用をカットして、保守をまったく行わずにいると、重大な事故が発生する恐れもでてきます。安全に関わるような重要な項目は、行き過ぎたコストカットをしてしまわないように注意が必要です。

【3】管理費滞納者に督促を行う

前述の通り、管理費を滞納する住民がいると、値上がりの原因となる場合があるので、滞納者への請求も重要です。

滞納者への対応は、まず最初に管理組合や管理会社を通して、口頭や簡易的な書面で催促を行います。

それでも支払いが行われない場合には、内容証明郵便を送りましょう。内容証明自体には強い法的効力はありませんが、受け取った相手にプレッシャーを与える効果に期待が持てます。

内容証明を送っても相手が応じない場合には、最終手段として訴訟や強制執行も視野に入れて検討しましょう。

滞納者がいると、他の住民も「払わなくてもいい」と誤解してしまい、どんどん滞納者が増るような事態に悪化しかねないので、催促はしっかりと行う必要があります。

安さだけでなくコスパも意識する

金額の安さはもちろん重要ですが、管理費は安さだけで判断してはいけません。

価格の安さだけを追求していくと、その分サービスの質が低下しやすくなるため、「安いけどサービスがイマイチ」といった不満を持たれがちです。

管理費の適正額を見る際には、安さに執着するのでなく、支払う費用でどれぐらい行き届いた管理をしてもらえるのか、というコストパフォーマンスを意識して考えましょう。

まずは管理費の相場と比較してみよう

今回は、管理費が値上がりするケースの例と、コストカットに有効な方法を紹介しました。

もしも、「月々の管理費が高過ぎるかもしれない」と感じているのであれば、今回紹介した例に該当しないかを確認してみてください。

管理会社の見直しを行う場合は、事前にしっかりと自分のマンションの設備とそれに必要な作業内容を確認し、相場と比較したうえで、現在の管理費が適正かどうかをチェックしましょう。

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