連載:これで解決!マンション暮らしのトラブル

「自宅開業」のトラブルを解決したい!

2023.05.22
「自宅開業」のトラブルを解決したい!

マンションでよくある困った問題をテーマに、その解決方法を紹介していくこの連載。今回は「自宅開業」のトラブルに目を向けたいと思います。

自宅マンションの一室を利用すれば、開業にかかるテナント費用をおさえられます。しかし、そもそもマンションでの営業が禁止されている場合や、ほかの住民から騒音や不特定多数の人の出入りについて苦情が発生して退去を求められる場合も。

そこで今回は、自宅での開業に関するトラブルとその対処法について紹介します。

そもそも自宅マンションで開業していいの?

自宅での開業は線引きが難しい

小規模事業主にとって手軽かつ低コストで事業を始められるのは魅力であり、そのため自宅で開業するケースも少なくないといえます。

ただし、自宅での開業は、多くのマンションにおいてグレーゾーンと考えていいでしょう。

まず、区分所有法では「区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」とされています。共同の利益に反する行為とは、騒音や悪臭、振動など。不特定多数の人間の出入りによって住環境に影響を及ぼす場合には、廃業や退去を求められるかもしれません。

また、ほとんどのマンションで参考にされている、国土交通省の「マンション標準管理規約」では、「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」との記載があります。

主な利用目的が居住であり、一角で事業を行う程度であれば上記の規約に触れないと判断するケースもあるようですが、どの程度の事業まで許可するかは線引きが難しいところ。規約に明確な記載がないのであれば、各マンションで個別に判断するしかないでしょう。

もし自宅での開業を考えているなら、事前に起こりうるトラブルを把握し、管理組合に営業許可をもらうのが無難といえそうです。

開業で起こるトラブル

では、自宅マンションの一室で開業した場合、どんなトラブルが起こるか見ていきましょう。

【トラブル1】ほかの住民からのクレーム

ほかの住民からクレームが出される可能性も

塾や教室、ネイルサロン、弁護士事務所などは、不特定多数の人間が出入りします。そのため、マンションの安全性や騒がしさを理由に、ほかの住民から苦情がくるケースがあるようです。

また、エステやマッサージなどは風俗店との判断が難しく、クレームになりやすい業種といえます。

もし、苦情を受けて話し合いや裁判に発展し、事業が「共同の利益に反する行為」とみなされた場合には、廃業や退去を余儀なくされる可能性もあるでしょう。

あらかじめ管理組合に営業許可を得ていたとしても、事業用として契約している物件ではない限り、確実に営業を続けられるとはいえません。

【トラブル2】住所が特定されてしまう

自宅が特定されて犯罪に巻き込まれる可能性も

エステや塾、パソコン教室や相談業務など顧客を招く事業では、当然自宅の住所も把握されてしまいます。

場合によっては、ストーキングや空き巣、個人情報の悪用など、犯罪に巻き込まれてしまうかもしれません。

自宅に顧客を招く必要のない事業であれば、シェアオフィスやコワーキングスペース、バーチャルオフィス、住所非公開で取引できるプラットフォームなどの利用を検討してみるといいでしょう。

【トラブル3】プライベートスペースが減る

働き方改革やコロナ禍で在宅ワークをする人が増えている一方、オンオフの切り替えが難しいといった悩みも増えているようです。

自宅で事業を行う場合も、切り替えが難しくなるだけでなく、常に来客用スペースの確保が必要となるためプライベートの空間が狭くなるとも考えられます。そのため、精神的にも物理的にも、余裕が少なくなってしまうかもしれません。

トラブルへの対処法

【対処法1】管理組合に営業可否を聞く

多くのマンションでは「マンション管理規約」が採用されているため、事業用として販売していない限り、居住以外の利用は想定されていません。

仮に開業が可能との記載があった場合でも、事業の種類によっては住民からの反感を買う可能性があるため、事前に管理組合と合意形成が必要になります。

ただし、管理組合から許可を得ていた場合でも、ほかの住民からクレームがあった際には、話し合いを通じて撤退しなくてはいけない可能性がある点にも留意しましょう。

【対処法2】レンタルスペースを利用する

住民間のトラブルを避けるだけでなく、住所特定のトラブルを防いだりプライベート空間を確保したりするには、レンタルスペースを活用する方法も検討してみましょう。

最近では作業台があるネイルサロン向けのレンタルスペースや、トレーニング器具があるパーソナルトレーニング向けスペース、大きな鏡がありヨガやピラティスに向いたスペースもあります。

1時間あたり1000円代から利用できる場所もあるため、まずはレンタルスペースを活用して事業を始めてみるのがいいかもしれません。

以上、今回は自宅での開業に関するトラブルと、その対処法を紹介しました。

自宅の住まいとして購入したマンションで開業するには、規約違反となったり、他の住民からクレームを受けたりといったリスクがあります。あらかじめ管理組合から許可を得られたとしても、状況によっては廃業や退去となるかもしれません。

コストを抑えて手軽に開業したいなら、まずはシェアオフィスやレンタルスペースの活用を検討してみましょう。

イラスト:カワグチマサミ

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この連載について

【連載】これで解決!マンション暮らしのトラブル

複数の世帯が生活を送る分譲マンションでは、共用スペースの使い方やペットの飼育、ゴミ捨て場における利用マナーなど、思いがけないトラブルに遭遇する可能性があります。そこで、本連載『これで解決! マンション暮らしのトラブル』では、マンションでよく起こる困った問題の解決方法をテーマごとにご紹介。トラブル発生の防止や、万が一起こってしまった際の対応マニュアルとしてもご活用ください!

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