連載:理事会役員超入門

マンションの廊下に自転車を置くのはNG? 禁止の理由と対応策

2020.09.21
マンションの廊下に自転車を置くのはNG? 禁止の理由と対応策

マンションでよくあるトラブルの一つが「共用廊下に自転車を置く人がいる」問題。直接的な被害はなくても、見た目や避難経路の確保などの視点から気になる方も多いですよね。

今回は、マンションの共用廊下に自転車を置くことについて、関係する主な法律や対応策をご紹介します。

駐輪場が足りないから廊下に置くしかない……

自転車置き場

駐輪場は別であるのに、玄関前の廊下に自転車を置いてしまう方がいます。なぜこのような事態が起きてしまうのでしょうか。

よくあるのが、駐輪場が足りていないケース。駐輪場が狭いため、「1世帯につき自転車2台まで」のように台数制限されているなどの理由があります。

そのほかには、盗難防止や雨に濡らしたくないなどの理由も考えられるでしょう。

傘やベビーカーなどが置かれることも

共用廊下によく置かれる私物は、自転車だけではありません。傘やベビーカー、子どものおもちゃ、植木鉢など、室内に置くと汚れたり場所をとったりするものが置かれがちです。

「通行の邪魔にならないなら、良いのでは?」と主張される方もいるでしょう。しかし、地震や火災が起こったとき、自転車などが倒れないとも限りません。停電や火災の煙で視界が悪いなか、誰かが倒れた自転車につまずいてしまうと危ないですよね。

マンションの美観も悪化する

また、誰かが私物を置き始めると「あの人も置いているから、良いのかな」と思う方が増えてしまうのも問題。共用廊下に物がどんどん増えていくと、やはり見た目にもよくありません。マンションの美観を守るためにも、一人ひとりがルールを守ることが大切です。

マンションの廊下に自転車を置くのはNG! その理由は?

駐車禁止

法律上の観点から見ても、原則として、マンションの廊下に自転車を置くのはNGです。その理由を詳しく見ていきましょう。

マンションの廊下は共用部分である

前提として、マンションの廊下部分は「共用部分」にあたります。室内など自由に使える「専有部分」とは違って、管理規約に沿って利用しなければなりません。

一般的なマンションの管理規約では、共用廊下に私物を置くのが禁止されています。たとえ共用廊下の幅が広かったとしても、防災や美観上、許容されない場合が多いでしょう。

なお、各住戸の玄関前のスペースは基本的には「専用使用権の設定された共用部分」とみなされます。居住者のみ使える場所ではありますが、自転車が置けるかどうかは管理規約によって変わるため、管理会社などに確認してみましょう。

区分所有法違反にあたる可能性も!?

管理規約は「区分所有法」という法律に基づくものです。区分所有法第6条では、次のように定められています。「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」

つまり「廊下に自転車を置かないように」という警告に従わない場合、法律にもとづきその行為の停止請求を行うことができます。

消防法の問題にもかかわることも

共用廊下に自転車を置く行為は、区分所有法だけでなく「消防法」の問題にもかかわってきます。

マンションの共用廊下は、緊急時の避難経路。私物を勝手に置いていると、避難の妨げとなりかねません。

「廊下は広いし、これくらい大丈夫だろう」と思っていても、消防法や自治体の火災予防条例違反になる可能性があります。消防署の立ち入り調査などで、撤去するよう指導が入るかもしれません。

自転車を置き続ける人への対応策は?

では、自転車の廊下に置き続ける人に対して、どういう対策を行えば良いのでしょうか。以降で紹介していきます。

【1】張り紙などで注意喚起する

先述したとおり、マンションの廊下に自転車を置くことは、区分所有法や消防法から見ても問題。しかし、ルールを知らずに置いている方もいるため、いきなり法的な手段を取るのは得策ではありません。

まずは、全戸へ向けた張り紙やチラシ投函による、「共用廊下には私物を置かないでください」というお知らせから始めましょう。

【2】管理組合の理事長を通じて話をする

全戸への注意喚起で改善されなければ、管理組合の理事長などから直接「共用廊下の自転車を片付けてください」と話します。

多くの場合は聞き入れてもらえますが、「どうして私にだけ言うのか」「邪魔になっていないからいいだろう」などと反論される方もいるでしょう。

そんなときには「みなさんにお願いしています」と伝えるのが効果的です。美観や安全上の問題、管理規約の内容など、冷静に話します。

【3】行為の停止請求をする

なかなか改善されない場合、前述した通り区分所有法第57条にもとづき、その行為の停止請求ができます。

そのほかにも専有部分の使用禁止請求(第58条)や競売請求(第59条)などもありますが、非常に強力な措置です。共用廊下に自転車を置いている程度のトラブルだと、現実的にはなかなか難しいでしょう。

困ったときの相談先は?

「自転車を廊下に置かれて困る!」場合、まずは管理会社や自治体に相談してみましょう。

【1】管理会社

共用部分についてのトラブルは、まずは管理会社に相談するのが基本です。注意喚起の文書や、廊下に自転車を置いている住民への電話などの対応が期待できます。

ただし、契約によっては「管理会社は住民間のトラブルには対応しない」となっていることもあるので注意。その場合は、管理組合などに相談しましょう。

【2】自治体

各自治体には「生活課」「市民相談室」など、日常生活の困りごとを相談できる窓口が設置されています。

ただし基本的に、自治体は客観的にアドバイスするという立場。直接介入してトラブルを解決してもらうことは期待できません。

廊下に自転車を置くのはNG!困ったら外部へ相談を

マンションの共用廊下に自転車を置くことは、区分所有法や消防法の観点からNGとされています。

もし共用廊下に置いている住民が居て気になる場合、管理組合や管理会社を通じて対応してもらいます。それでも解決が難しい場合、弁護士や警察など、外部への相談も視野に入ってくるでしょう。

イラスト:大野文彰

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