大規模修繕

瑕疵保険に加入している? 施工不良に備えた大規模修繕の業者選び

2022.02.17
瑕疵保険に加入している? 施工不良に備えた大規模修繕の業者選び

もしも大規模修繕工事に不具合があったら、追加の補修費用は管理組合が負担しなければいけない? 施工した業者が倒産していたら?

そんな不足の事態が起きたときに活躍するのが瑕疵保険。この記事では、施工不良に備えるための瑕疵保険について解説します!

大規模修繕工事の瑕疵保険は「売買契約の欠陥」を補償する

瑕疵保険は施工業者が加入する保険

マンションでは定期的に大規模修繕を行います。実際の修繕はその道のプロである施工業者が行いますが、人間の手で行う作業のため、見落としや作業ミスによって施工不良が起こるかもしれません。

売買契約において、本来備わっているべき性能や品質に欠陥がある状態を「瑕疵」といいます。マンションの大規模修繕において、工事完了後に不具合が見つかった場合は「瑕疵がある」といえる状況です。

そんな自体にそなえ、工事内容に瑕疵があった際に管理組合が金銭の負担をしないですむように、国土交通省が指定した保険会社が取り扱う大規模修繕の瑕疵保険があります。瑕疵保険は管理組合(発注者)ではなく、施工業者(請負人)が加入する保険です。

通常、施工不良による工事のやり直しは請負人である施工業者が無償で行います。この時、瑕疵保険に加入している成功業者なら、やり直しの工事費用を保険会社から受けとれます。仮に施工業者が倒産するなどして工事が実施できない場合には、発注者に対して保険金が支払われる仕組みです。

なお、施工業者は瑕疵保険への加入義務はありませんので、保険加入の有無は業者によって異なります。

瑕疵保険に加入している業者を選ぶ4つのメリット

続いて、管理組合にとって瑕疵保険に加入している業者を選んだほうが良い理由を解説します。

【メリット1】マンション側の費用負担がない

先述のとおり、瑕疵保険は施工会社が加入するため、マンションの管理組合が保険料を負担する費用はありません。

もちろん、瑕疵に対しての工事費用も保険会社から受け取るため、あらためて費用を出す必要もありません。

【メリット2】施工業者が倒産していた場合の費用負担を回避できる

上記のように、通常であれば管理組合は補修工事の費用を負担しません。しかし、工事を担当した施工業者が倒産していたら、他の業者に有償で補修工事を依頼する必要が出てくるでしょう。

瑕疵保険に加入していると、工事を担当した施工業者に倒産などのトラブルがあった場合に、他社に依頼する工事費用が全額保証されます。

【メリット3】瑕疵への迅速な対応を促しやすい

工事に瑕疵と考えられる不具合が発生した時は、管理組合と施工業者で話し合いを行います。

しかし、専門知識のない管理組合では瑕疵を判断することは難しく、施工業者には工事をやり直すメリットがありません。そのため、修繕に不具合を感じた管理組合が問い合わせても、瑕疵への対応を行いたくない施工業者にうまく言いくるめられて、工事が実施されないことが考えられます。

瑕疵保険に加入していれば、万が一の場合に保険金が施工業者に支払われるので、スムーズな対応をしてくれる可能性が高くなるでしょう。

【メリット4】瑕疵が発生しにくくなる

手抜き工事を防止する効果も期待できる

瑕疵保険に加入すると、工事前後に保険会社から派遣される検査員によって躯体検査などの現場検査が実施されます。

大規模修繕にあたって級建築士の資格を持つ検査員が工事の品質を確認します。そのため、施工会社もミスが発生しないように注意深くなるなど、手抜き防止効果が見込めるでしょう。結果として瑕疵が発生しにくくなる効果が期待できます。

保険料は施工会社が支払う

瑕疵保険の保険料は管理組合ではなく、加入者である施工業者が支払います。

ただし、管理組合から施工業者へ支払う費用のなかに、保険料が上乗せされて請求されるケースも。費用負担が管理組合と施工業者のどちらになるか、見積もり時など事前に確認しておきましょう。

また、事業者登録の有効期限は1年間で、継続して保険を利用する場合は更新が必要です。

施工業者を選ぶ際には、万が一の時に、瑕疵保険を利用できる業者なのかという点も気にしておきたいですね。

瑕疵保険の対象になる箇所

基本的に、保険の対象になる箇所は次の部分になります。ただし、特約を付帯すれば保険対象箇所を拡大できる場合もあります。

【対象一覧】
・構造耐力上主要な部分(耐震工事や柱・梁・壁の工事など)
・雨水の浸入を防止する部分(外壁や屋上防水、シーリング工事など)
・給排水管路
・給排水設備
・電気設備
・ガス設備
・手すり等の鉄部(柵や階段、防火扉など)

瑕疵保険が適用されない事例は以下のような場合です。

【保険適用の対象外】
・洪水・台風などの自然災害によって発生した瑕疵
・火災による瑕疵
・ネズミや虫食いによる瑕疵
・外壁タイルなどが剥落して、第三者及び、第三者の所有物に被害を与えた場合の瑕疵

瑕疵保険の期間

瑕疵保険の保険期間は、修繕部分によって異なります。

例えば、柱・梁などの構造耐力上主要な部分は5年、屋上・外壁などの雨水の浸入を防ぐ箇所なども5年です。一方で、玄関などの扉・柵・手すりなどの鉄部は保険期間が2年になります。

商品によっては特約を利用して保険期間を延長できる工事もあるので、事前に施工業者と確認しましょう。

なお、保険が適用される期間は工事が完了した引き渡し日(工事確認日)からとなります。

瑕疵保険の保険料

保険会社に支払う保険料は、工事の規模によって異なる

瑕疵保険で支払われる保険金は、(瑕疵に関わる補修費用-10万円)×80%で計算されるのが一般的です。

保険会社に支払う保険料は、工事の規模や保険法人によって異なります。工事の請負金額3,000万円で保険料13~28万円、5,500万円で25~40万円程度が大まかな目安です。

瑕疵保険が適用されるタイミング

これまで説明してきた通り、瑕疵保険の契約者は施工業者です。着工前に契約を結び、施工業者が保険料を支払います。

なお、契約を結べるのは保険会社の基準をクリアしている業者だけです。保険会社のホームページから施工業者をあらかじめ検索しておくと良いでしょう。

保険料の負担が最終的に管理組合に請求される場合、契約が結ばれると保険会社から管理組合に「保険加入証明書」が交付されます。

瑕疵が発見され補修が必要となった際に、保険会社から工事会社に工事費用(保険金)が支払われます。その時点で施工業者が倒産している場合には、保険会社から管理組合への支払いとなります。

瑕疵保険を取り扱っている企業

大規模修繕の瑕疵保険を取り扱っている企業は以下の5社です。

いずれも、国土交通省のホームページで紹介されています。

瑕疵保険に加入すれば、より安心して大規模修繕を行うことができる!

工事に瑕疵があった場合でも、依頼先の施工会社が瑕疵保険に加入していれば保険金が支払われるので安心です。もしも施工業者が倒産していた場合には、別の業者に工事を依頼する際の施工料は瑕疵保険で全額保証されます。

瑕疵保険に加入するのは施工業者であり、マンションの管理組合に負担がかかることはありません。施工業者を選ぶ際には、瑕疵保険の有無もひとつの判断材料として検討してみると良いでしょう。

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