連載:理事会役員超入門

あると便利! 宅配ボックスのメリットや注意点を紹介

2020.06.16
あると便利! 宅配ボックスのメリットや注意点を紹介

平日などに荷物の受け取りが難しい人や、ネットショッピングをよく利用する人にはうれしい宅配ボックス。宅配ボックス付きの条件で物件を探す方もいるほど、便利な設備です。

そんな宅配ボックスについて、この記事ではメリットから活用術まで紹介していきます。

宅配ボックスとはそもそも何?

宅配ボックスは、宅配ロッカーとも呼ばれ、不在時でも荷物を受け取ることができるカギ付きのロッカー設備のことを指します。日中に荷物の受け取りが難しい方はもちろん、荷物の再配達を依頼する手間もなくなり、配達業者にとっても一度の配達で済むといったメリットがあります。

マンションでは郵便ポスト一体型か、もしくはエントランスなどの共用部分に別途設置されることが多いようです。なお宅配ボックスでも荷物を受け取る際には、通常の荷物受け取りと同様に受領印が基本的には必要とされていますが、捺印機能が搭載されているシステムも普及しています。

宅配ボックスは主に2種類に分かれる

宅配ボックスには旧型の「ダイヤル式」と、近年主流となっている「電子式」の2つのタイプが存在します。それぞれの特徴について、以降で詳しく見ていきましょう。

【タイプ1】配達の度に暗証番号を設定する「ダイヤル式」

ダイヤル式

ダイヤル式は配達員が宅配ボックスに荷物を入れてから、暗証番号を設定するタイプです。

宅配ボックスのそれぞれの扉にダイヤルが付いており、配達員が荷物を入れた後に暗証番号を決め、ロック。配達員は宅配ボックスの番号とそのとき設定した暗証番号を記載した配達通知書を作成し、受取人の郵便ポストに投函します。そして受取人は投函された配達通知書に記載の暗証番号で解錠し、荷物を受け取るという仕組みです。

ダイヤルでロックするために電気代もかからず、導入コストも電子式に比べると比較的安価といえるため、小規模なアパートで採用されていることが多いようです。

ただ、万が一郵便ポストから暗証番号の書かれた配達通知書を取り出されてしまうと、宅配ボックス内の荷物を簡単に盗めてしまうという欠点も存在します。

【タイプ2】固定暗証番号や磁気カードで解錠する「電子式」

電子式

最近新築のマンションなどで主流になりつつあるのが、配達員が液晶パネルの指示に従って荷物を入れる電子式の宅配ボックス。固定暗証番号で解錠するタイプと、磁気カードで解錠する主に2つの仕組みが存在します。

配達通知をメールで送ってもらえるサービスもあり、これなら荷物の配達状況をリアルタイムで確認可能です。また複合機能型インターフォン端末に配達通知が表示されるシステムもあります。電子式はダイヤル式と違って配達員が暗証番号を設定するわけではないため、配達通知書の暗証番号が間違っていて解錠できないといったトラブルも発生ぜず、毎回異なる暗証番号で解錠するといった手間もかかりません。

ただ、導入コストやメンテナンス費用がかかる分、マンション購入費や管理費が高くなる傾向にあります。

なお「今住んでいるマンションにないけれど、宅配ボックスが欲しい!」という場合、自分で市販の宅配ボックスを設置することもできます。ただし、玄関の外は共用スペースにあたるため、設置する場合は必ず管理組合や管理会社へ確認をしましょう。

マンションに宅配ボックスがあるメリット

配達ボックスについて、ここでは改めて具体的なメリットを整理してみました。

【メリット1】再配達依頼の手間が省ける

不在でも宅配ボックスで荷物を受け取れるため、わざわざ再配達の依頼を行ったり、配達時間帯に家で待機したりといった手間が省ける点が最大のメリットといえるでしょう。

配達時間帯を気にする必要もなく、ネットショッピングも利用しやすくなるのではないでしょうか。

【メリット2】マンションの防犯性が保たれる

荷物を受け取るために個々の玄関で配達員の対応をする必要がないため、宅配業者を装った悪質なセールスなどが避けられます。1人暮らしなどで防犯面が気になる方には、ひとつの安心要素ともいえるのではないでしょうか。

【メリット3】24時間受け取り可能

宅配ボックスに荷物を受け取りに行くタイミングは、自分の都合に合わせることができます。配達時間に合わせて行動する必要がなく、24時間いつでも荷物を受け取れる点もメリットといえるでしょう。

届かないこともある? 宅配ボックスの注意点

マンションの宅配ボックスを使うにあたって、受け取れないなどのトラブルを回避するために注意点も確認しておきましょう。

【注意点1】すべての品物を受け取れるわけではない

以下の郵便物のように、受取人本人への手渡しを必要とするものは、宅配ボックスでの受け取りはできません。

・新特急郵便・現金を内容とする書留
・配達証明
・特別送達
・本人限定受け取り
・料金・運賃または手数料の支払いを要するもの
・税付き郵便物
・国際郵便物
・保冷の必要なもの

また、宅配ボックスに入りきらない大きさの荷物も受け取れません。受取人が不在の場合は、配達員が持ち帰ることになります。

【注意点2】空いている宅配ボックスには限りがある

設置されている宅配ボックスがすべて利用中であったり、荷物に対して小さいサイズのボックスにしか空きがなかったりする場合は、通常通り再配達通知が郵便ポストに投函されます。

【注意点3】暗唱番号間違い、長期間放置

宅配ボックスへの配達に慣れていない配達員が、操作がわからずに荷物を持ち帰ってしまったり、配達通知書へ記載する暗証番号や投函する郵便ポストを間違えて記載したりといったトラブルもあるようです。配達された荷物を取り出すことなく、長期間宅配ボックスのなかに放置しておかれている場合、管理会社から警備会社へ通報がいくこともあります。

宅配ボックスの導入にはいくらかかる?

マンションに宅配ボックスを導入する場合、下記の費用がかかってきます。

・ダイヤル式:60万円
・電子式:80万円〜100万円

電子式の場合、オンライン上で管理できるサービスが付いていると費用が高くなります。維持費については以下の記事も参考にしてみてください。

必要なボックスのサイズや個数はどのくらい?

宅配ボックスは高さ20㎝ほどのものから、ゴルフバッグが入る大型サイズまであります。大型サイズは家電の購入や飲料のまとめ買いの際にも利用できるため、異なったサイズのボックスを設置しておくと良いでしょう。

必要なボックスの個数は、入居している世帯数の2割とされています。ただ、近年はオンラインショップの利用も増えているため、3割程度は設置しておくと足りなくなる心配がありません。

複数サイズを組み合わせたマンション向けの宅配ボックスや、月額制で利用できる宅配ボックスもあるそうです。業者を選ぶときには、製品の取り扱い種類やアフターサポートの充実度を確認してみると良いでしょう。

宅配ボックスの活用術も紹介!

家にいなくてもいつでも荷物を受け取れるなど、メリットの多い宅配ボックス。ここからは利用するとさらに便利になる活用術も紹介していきます。

【活用術1】宅配ボックスからの発送サービスを利用する

大手運送会社のなかには、宅配ボックスからの荷物受け取りに対応している場合もあります。事前に各運送会社で登録を済ませておけば、わざわざ営業所やコンビニなどに荷物を持って行くといった手間を省けます。

また、宅配ボックスを利用してクリーニングの依頼と受け取りが可能なサービスもあります。衣替えなどで衣類を大量にクリーニングに出したいときや、受け取りに行く時間がないときに特にありがたいサービスといえそうです。

【活用術2】まちなかの宅配ボックスを使う

宅配ロッカー

自分のマンションに宅配ボックスがなかったり、ボックスよりもサイズの大きい荷物を受け取ったりする場合、街中にある宅配ボックスを利用する手もあります。

駅などの公共施設に設置してある宅配ボックスを受取先に変更すれば、「受け取りたい場所」で「受け取りたい時間」に荷物を受け取ることができます。

【活用術3】自宅に宅配ボックスを設置する

戸建てに住んでいる場合、自宅に個人用の宅配ボックスを設置することも可能です。工事を必要としない置き型の宅配ボックスも多く販売されており、手軽に取り入れることができます。

マンションに住んでいる場合は、玄関の外は共用部分となるため私物を置くことはできません。個人での設置は控えましょう。

理事会や総会での話し合いで設置を検討してみましょう

多くのマンションで導入の増えてきている宅配ボックス。リアルタイムで着荷確認可能な機能や遠隔で監視・操作する機能などを備えた、さらに利便性の高い製品も登場してきています。もしまだ「宅配ボックスがない」というマンションであれば、理事会や総会などを通じて設置を検討してみてはいかがでしょうか。

イラスト:大野文彰

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