大規模修繕

マンションの修繕計画とは? 作成方法や注意点を詳しく紹介!

2021.01.29
マンションの修繕計画とは? 作成方法や注意点を詳しく紹介!

マンションを適切に維持管理していくために欠かせない、修繕計画。とはいえ「修繕計画」という名前は聞いたことがあっても、その内容や作成方法までは知らない方も多いのではないでしょうか。今回はそんな修繕計画の作成方法や注意点について解説します。

マンションの修繕計画とは?

マンションの修繕計画は「長期修繕計画」とも呼ばれ、修繕工事の内容・時期・費用などを計画したもの。この修繕計画をもとに、入居者が毎月支払う修繕積立金の金額が計算されます。

なお修繕計画に含まれるのは、長期的な計画に基づいて実施される「大規模修繕」のみ。日常的で小規模な「経常修繕」は管理費等から捻出されるため、修繕計画では基本的に考慮されません。

2018年のマンション総合調査によると、修繕計画を作成しているマンションは全体の約9割。一部の小規模なマンションを除き、ほとんどのマンションで作成されているようです。

修繕計画の期間は25~30年が目安

国土交通省の「長期修繕計画ガイドライン」では、新築マンションで30年以上、既存マンションで25年以上を見越した計画が推奨されています。

大規模修繕そのものの周期は、12年に1度が一般的です。築10年過ぎに1回目、20年過ぎに2回目、30年過ぎに3回目の工事を行うと、だいたいの工事内容が一巡します。

ただ、新しい技術の開発や生活スタイルの変化などによっても、マンションの劣化状況は変化します。最近は建築材料の耐用年数が長くなっていることから、修繕計画の期間は40年を見越して立てるのが理想的とも言われています。

修繕計画を立てる目的は?

修繕計画の大きな目的は、将来見込まれる工事費から修繕積立金を計算することです。

あくまでも目安となりますが、国土交通省の調査によると、大規模修繕1回あたりの1世帯の工事費用は約75~125万円。この金額を工事の際にまとめて集めようとすると、負担が大きすぎて予定どおりに集金できない可能性が高くなります。もし費用が足りずに大規模修繕が実施できなければ、マンションの快適性や資産性を維持するのは難しいでしょう。

そのため将来の大規模修繕を見越して修繕計画を立て、毎月修繕積立金を集めることで、スムーズな修繕工事の実施につながります。

修繕計画を作成する方法は?

修繕計画

では、修繕計画はどのように作成すれば良いのでしょうか。主な作成方法は、以下の3パターンです。

【1】管理会社に委託する

管理会社とは、管理組合から業務を委託されてマンション管理を行う業者です。簡単な修繕計画であれば、約10~20万円と安い費用で作成してもらえます。ただしコストが安い分、建物調査を通じた詳細な修繕計画は望めない可能性があります。

【2】コンサルタントに依頼する

コンサルタントとは、建物の劣化調査・設計・業者選定・修繕計画などマンションの修繕に関する業務をサポートする専門家です。顧問契約を結んで継続的なサポートを受ける場合、月額3~5万円が目安です。修繕計画の作成のみをスポットで依頼する場合、基本料金として約10万円、建物診断費用として約60~100万円ほどかかります。

コンサルタントの業務については、以下の記事で詳しく解説しています。

【3】管理組合で作成する

管理会社やコンサルタントなどに依頼せず、管理組合だけで修繕計画を作成することも可能です。長期修繕計画を立てる専用ソフトの価格は、数万~数十万円ほど。購入費用をかけたくない場合、エクセルを使って作成するのが一般的です。

エクセルで修繕計画を作成するときの注意点

エクセル

エクセルで修繕計画を作成するときには、国交省が無料で配布している「長期修繕計画標準様式」を用います。必要な工事項目に対し、それぞれ修繕周期や金額を入力し、修繕積立金の額を計算するようになっています。

基本的には様式に従って作成していけば良いのですが、PDFデータをエクセルに変換して使うため、数式などは設定されていません。自分で数式を入力するか、電卓等を使うことになるので、数字のズレには注意しましょう。

修繕計画の作成方法は、こちらの記事でも詳しく解説しています。

修繕計画を立てるときの3つの注意点

マンションの長期修繕計画を立てるときには、以下のような点に注意しましょう。

【注意点1】 建物診断で工事時期・内容を判断する

一般的に12年周期が目安と言われる大規模修繕。ただ、目安に縛られることなく、建物の劣化状況に応じて修繕計画を立てることが大切です。そのため、建物診断を通じて、現時点での建物の劣化状況を踏まえたうえで、修繕計画を立てたいところです。

とはいえ修繕計画はあくまでもシミュレーションであるため、将来的な劣化状況や社会のニーズの変化によって工事時期や内容が変わる可能性もあります。計画通りに進めることを重視しすぎることなく、定期的な建物診断を通じて修繕時期と内容を見直すようにしたほうが良いでしょう。

なお、もし修繕積立金が不足する場合、追加徴収や融資などで対応します。

【注意点2】工事費用は上下する可能性がある

修繕工事費の単価は、過去にさまざまなマンションで行われた大規模修繕の工事費を参考に設定されています。ただ将来的に人件費や材料費が高騰したり、消費税がアップしたりすると、予想以上に工事費がかかる可能性もあります。大幅な積立金増額や追加徴収を行わなくて済むよう、余裕をもって修繕積立金を設定すると良いでしょう。

【注意点3】大規模修繕後や5年に一度見直しをする

変動する修繕費用や工事内容に対応するためにも、修繕計画は5年ごとの見直しが推奨されています。また大規模修繕を実施した後も、実際にかかった費用や、見送った工事内容などを計画に反映させましょう。

修繕計画の適切な見直し方法については、こちらの記事で解説しています。

計画通りに進むことはない前提での作成を

修繕計画は毎月支払う修繕積立金を計算して、適切に大規模修繕を行うために必要です。管理会社やコンサルタントに依頼するか、管理組合で修繕計画専用のツールやエクセルなどを使って作成したほうが良いでしょう。

なお、すべてが計画通りに進むことはまずありません。そのためある程度余裕を持って修繕費用を確保できる計画を立て、定期的に見直しを行いましょう。

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