連載:これで解決!マンション暮らしのトラブル

【第3回】「駐車場で起きた問題」を解決したい!

2020.06.16
【第3回】「駐車場で起きた問題」を解決したい!

マンションでよくある困った問題をテーマにその解決方法を紹介していくこの連載、3回目となる今回は「駐車場」について。マンションの駐車場では無断駐車や当て逃げなど、思わぬトラブルに遭遇する機会があります。では、駐車場に関する問題に対してどのような対応を行っていけば良いのでしょうか。

騒音に次いで多いマンショントラブル「違法駐車」

マンションにおける駐車場は、居住者が自家用車を駐めるスペースであるのはもちろん、空きスペースを外部の人に貸し出すことで収入を得る手段にもなります。

そんな駐車場ですが、実はトラブルが多いことはご存じでしょうか。国土交通省が2018年に行ったマンション総合調査を見ると、マンションのトラブル発生原因は生活音(38.0%)が最も多く、次いで違法駐車・違法駐輪(19.0%)という結果になっています。

違法駐車は居住者だけでなく外部の人も関わってくるため、マンションの管理体制が甘ければ、何度もトラブルが繰り返されるといった事態にもなりかねません。

「無断駐車」されたらどうすればいい?

マンションに併設されている駐車場は、基本的には入居者のなかでも別途、使用料を払っている契約者が利用するスペースです。当然ですがそこに使用料を払っていない人が駐車するのは「無断駐車」に該当します。

無断駐車を防ぐためには、あらかじめ「契約者専用」や「無断駐車禁止」の看板を設置し、ドライバーに注意喚起を行うなどの方法があります。特にプレートタイプではなく、スタンドタイプの看板を該当スペースに設置すれば、無断駐車を物理的に遮断することもできるでしょう。

とはいえ看板を設置したとしても、無断駐車をされてしまう可能性がゼロとはいえません。

では、自分が契約している駐車スペースや利用している駐車場内で無断駐車を発見した場合、どのような対応を行えば良いのでしょうか。

まず前提として、無断駐車をされても勝手にその車を撤去することはできません。これは「自力救済禁止の原則」という法の定めがあるため。「自力救済」とは、自分の権利を侵害された場合、その権利者が法律の手続きなく、実力行使で権利の獲得を実現することです。つまり、無断駐車であれば「自分の駐車スペースに無断で駐車をされたからといって、勝手にその車の撤去をして、スペースを取り返す行為をしてはいけない」ということになります。無断で撤去してしまうと、相手から逆に損害賠償を請求される可能性もあります。

ですので、レッカー車を呼んで無断駐車の車を勝手に移動する、というようなことは絶対にせず、まずはマンションの理事会か管理会社へ連絡を行いましょう。そして、張り紙などを通じて警告を行うのが一般的な対処です。

警告後も無断駐車が続くようであれば、写真を撮影し、記録を残しておきましょう。持ち主がわかったら、理事会や管理会社、委託している警備会社などから直接注意をしてもらうといった方法が考えられます。

当て逃げ発生! 取るべき行動は?

無断駐車と同じく、駐車場で起こるトラブルとして「当て逃げ」があります。ドアパンチ(車のドアを開けた際に隣の車にぶつけてしまう)のような軽微な損傷から、車のボディが凹むような大きな損傷まで、被害の程度はさまざま。万が一、当て逃げされた場合、すみやかに以下の行動を起こすことが大切です。

・理事会や管理会社の協力などを得ながら加害車両を特定する
・警察に連絡をして被害届を提出する
・場合によっては損害保険会社に連絡をする

それぞれの行動について、詳しく見ていきましょう。

【行動1】加害車両を特定する

当て逃げされたところを目撃したときは、まずは加害車両のナンバーをメモしておきましょう。携帯電話のカメラで写真や動画の撮影をしておくのもとても有効です。

ナンバーのメモとあわせて、加害車両の特徴なども記録しておきたいところ。車種やメーカー、ボディーカラーなど、可能な限り情報を記録しておくと後々の加害車両特定に役立ちます。

加害車両を目撃していない場合、被害車両にドライブレコーダーがあれば映像が残っていないかを確認します。さらに駐車場内に防犯カメラが設置してあれば、管理会社の協力を得て、画像や映像のチェックなどを行いましょう。

【行動2】警察に報告する

私有地となるマンションの駐車場で起こった当て逃げは、「警察は対応してくれないのでは?」と思う方もいるかもしれません。

しかしマンションの駐車場であっても「不特定多数の者が自由に行き交うことのできる」スペースとして認められれば、道路交通法が適用される可能性もあり、当て逃げによって罰則が発生するケースもあります。この場合、加害者には刑事罰として1年以下の懲役又は十万円以下の罰金が課されることになります(道路交通法117条の5第1号)。

そもそも当て逃げのような物損事故を起こした場合、警察に報告をする義務があることはご存じでしょうか。その報告を怠った場合は、3月以下の懲役または5万円以下の罰金を課されることも(道路交通法119条1項10号)。報告の際には警察に事故証明書の発行を依頼し、こちらからは被害届も提出しましょう。

【行動3】損害費用を保険でカバーできるか確認

車の修理代は加害者に負担させる場合と、被害者が支払う場合があります。

【行動1】や【行動2】の時点で加害者が見つかれば、修理代は加害者に負担させることができます。具体な手続きとしては、加害者側が加入している自動車保険の対物賠償責任保険で対応するケースが一般的。ただ、加害者が対物賠償責任保険の契約をしていない、もしくは物損に対しては補償しない自賠責保険にしか加入していない場合、示談交渉によって賠償金額を決定し、支払いの請求をしなければなりません。

もし加害者が見つからなかった場合は、被害者が修理費用を負担することになります。自身が車両保険に加入していれば、契約内容によってはその保険を利用して修理代をカバーすることもできるでしょう。

ただし、車両保険を利用すると等級が下がり、翌年以降の保険料が値上がりしてしまう場合があることを忘れてはいけません。理不尽に感じますが、自分に落ち度がなくとも自分の保険を使って修理をすると、保険料アップなどが避けられない場合があることも覚えておきましょう。

加入している車両保険のタイプにも気をつけたいところ。車両保険は「一般型」と「エコノミー型」に分かれているものもあり、エコノミー型は一般型より保険料が安い分補償の範囲が狭く、当て逃げによる被害が補償されていないケースがあります。また、一定の免責金額が設定されている場合もあります。

車両保険が使える場合でも、必ず事前に修理工場で修理金額の見積をとり、面倒ですが保険等級が下がることによる翌年の保険料の増加分と、修理金額を比較してどちらが経済的かを確認しましょう。保険料の増加額や補償範囲については、保険会社に確認すると教えてくれます。

以上、今回は駐車場で起こりがちなトラブルのなかでも特に無断駐車や当て逃げに焦点をあてて紹介をしました。

次回、4回目となる連載は「雨漏り」をテーマに、雨漏りが発生する原因や信頼できる修理業者の選び方などを解説していきます!

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この連載について

【連載】これで解決!マンション暮らしのトラブル

複数の世帯が生活を送る分譲マンションでは、共用スペースの使い方やペットの飼育、ゴミ捨て場における利用マナーなど、思いがけないトラブルに遭遇する可能性があります。そこで、本連載『これで解決! マンション暮らしのトラブル』では、マンションでよく起こる困った問題の解決方法をテーマごとにご紹介。トラブル発生の防止や、万が一起こってしまった際の対応マニュアルとしてもご活用ください!

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